突っ走ってコーナーが曲がりきれない感じ|『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』ライカ
――『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』では、レッドドラゴンのライカを演じています。演じるにあたって、どんなことを意識されていましたか?

©森田季節・SBクリエイティブ/喫茶魔女の家
本渡:第1期の頃、すごく覚えているのがライカを演じるにあたっての「侍のような感じで、演じてください」というディレクションです。
「お手伝いします」じゃなくて「我にお任せを」というちょっとカタめのイメージ。だけど「従順でなんでもできる」というよりは、命令を聞いて突っ走ってしまい、コーナーを曲がりきれないくらいの速度で走ってしまうのが、ライカなんですよね。
演じ初めに、そんなディレクションしてもらったのが残っていて、それは変わらずずっと意識している部分ではあります。
とくに近しい年齢や雰囲気の女の子のキャラクターがたくさん出てくる作品でもあるので、その住み分けができたらいいなと思って、第2期に入ってからはとくにそのことをまた意識していました。
――本渡さんが思う、『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』の魅力や見どころをお聞きできますか?
本渡:アズサさんの目標である「やさしいスローライフ」っていうのは、本人が注目を浴びてしまって叶えられていないかもしれないけど、でも観ている側は十分、スローライフな気持ちにさせてもらっていると思うんですよね。
それって登場人物にイヤな人がいなかったり、いやらしい目線で見る男性キャラがいなかったり。原作ももちろんそうですけど、それはアニメの制作スタッフ、キャストの中でも「そんな世界を守っていきたい」という意志があって、それはこの作品の一つの魅力になっているのかなぁと。
観ている方にもその雰囲気が伝わっていたら嬉しいですね。

取材・文/郡司 しう 撮影/小川 伸晃
「イレイナ探し」の旅だった|『魔女の旅々』イレイナ
――本渡さんが主人公イレイナを務める『魔女の旅々』も人気が根強い作品ですよね。

© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会
本渡:ありがたいですよね。でも、あれも結構苦労したんですよ~(笑)。
原作の白石定規先生の文体がすごく個性的で、アニメでもそれがそのままイレイナのセリフになっていたりして、言い回しがかなり独特なんです。声優としては大変でしたけど、でもそれが『魔女の旅々』という作品の魅力だし、それが世界観にも繋がっている部分なので「良すぎるがゆえに大変」という感じでした(笑)。
あとはイレイナって「お金好き」「子供っぽい」というちょっとこじらせた部分もありながら、一方ですごくバランスが取れた子だなという印象もあって、それをどう一人のキャラで表現すればいいのかは頭を悩ませた部分でした。
だから私自身、イレイナ探しをしながら収録をしていた気分です。そして、それが一気にひもとけたのが最終話。
――あの最終話を見たときは、衝撃を受けました。エンドロールのキャスト欄に「本渡楓」しかなくて、あんなの観たことない(笑)。
本渡:ですよね(笑)。あのいろいろな性格のイレイナは「もしあのときの選択が違ったら」という、世界線が分岐した先のイレイナたちなんです。あれを演じたときに「そりゃ悩むわけだよなぁ」と思いました(笑)。
とはいえ、あの最終回を演じるのはすごく楽しかったです。ふだんは台本で自分のセリフのところを赤丸で囲むんですけど、囲めど囲めど自分のセリフだし、書けば書くほど台本が読みづらくなるので、大変でしたね(笑)。
――ちなみに、あの収録って「一人のイレイナ」を決めてそのイレイナだけを別々に録音していくんですか?それとも、全体を流して演じ分けながら進めるんですか?
本渡:同時にしゃべるとか「不可能じゃない限りはやってみよう」という話になり、最初は流してやってみました。
でもところどころ掛け合いがあって、頭がこんがらがってきて「どっちでもないイレイナ」で演じてしまったことがあって……「いまのイレイナは、どれでもなかったよ」とか言われながら(笑)。そういう部分は音響監督さんから「ここは別々に録ろうか」と言っていただきました。
とはいえ名誉のために言っておきますけど、勢いよく流れで録音できたところもちゃんとありましたからね(笑)。
J:COM STREAMで「魔女の旅々」4/11~配信スタート!

© 白石定規・SBクリエイティブ/魔女の旅々製作委員会