富良野GROUP公演 悲別 KANASHIBETSU 2023

作・監修 倉本聰 「悲別 2023」2024年3月29日(金)夜9時〜

倉本聰の名作『悲別』が10年ぶりに復活!
12月に富良野で公演された舞台をJテレで放送します。

再生時間 60秒

悲別あらすじ

1993年閉山が決まった炭坑の町、悲別(かなしべつ)。
未来を奪われた若者たちは、30年後の2023年大晦日、ここで再会しようと約束する。
集まってみんなで、第一坑道の地下三百メートルの地底に先人たちが埋めたという『希望』を封印したタイムカプセルを探しに潜ろうと約束する。
再会を信じ、一人、また一人と悲別から去っていく若者たち。

30年という長い歳月。
すっかり様変わりし暗く沈んだ街になった悲別。
それぞれの生き方で暮らしている若者たち。
福島の原発労働者となった者、懸命にふるさとにしがみつき空しい町おこしに励む者、
30年の歳月は何かを変え、しかし変わらずにいたいと願い続ける者もいた。

そして約束の大晦日
坑道を進む三人の人影。約束を守った二人。噂を聞きつけ取材に来た新聞記者。 それぞれの思惑を胸に、三人は立入禁止となっている旧坑道に『希望』
という名のタイムカプセルを探し求めて、地底へと奥深く入り込んで行く…。

『悲別 2023』

日本ドラマ界を牽引してきた脚本家・倉本聰さんの代表作「悲別(かなしべつ)」シリーズ。2023年12月、北海道・富良野演劇工場で限定上演された最新作『悲別 2023』が3月、さっそくJ:COMで堪能できることになった。

北海道の架空の炭鉱町「悲別」を舞台とする人気シリーズ。その端緒は1984年のテレビドラマ『昨日、悲別で』(日本テレビ系)だ。夢を追いかけ都会に出た若者と、故郷に残って地元で働く若者の交流を描き、大きな話題になった。 そして閉山後の悲別の今日を描く舞台公演『今日、悲別で』が1990年、倉本さんの率いる「富良野塾」によって上演。炭鉱閉山で散り散りになった若者たちの絆を通じ、生きることの希望とは何かを問う舞台へと昇華させていく。 さらに2012年から2013年にかけて、原発事故を反映し作品を改稿した『明日、悲別で』を、「富良野塾」卒塾生によるユニット「富良野GROUP」が上演している。

今回の『悲別 2023』は、全国オーディションを経て新メンバーを加え、コロナ禍で歩みを止めていた「富良野GROUP」再始動第1弾となる。 物語は、炭鉱閉山が決まったその夜、炭鉱の組合長が自殺するところから始まる。 組合長は死の直前、彼の息子ジンに、閉鎖された炭鉱の旧坑道の地下300メートルに、先輩の炭鉱夫たちがタイムカプセルを埋めたことを伝える。

「その中には希望が入っている。30年も経った頃、そのタイムカプセルを探してごらん」

ジンと彼の仲間たちは、30年後の大晦日、一緒にタイムカプセルを探しに行くことを約束する。 閉山後、ある者は福島の原発労働者となり、ある者は故郷にしがみついて空しい街おこしに励み……。30年後、約束を守ったのはたった2人。 噂を聞きつけた新聞記者を加えた3人は、「希望」という名のタイムカプセルを探し求め、立ち入り厳禁の旧坑道に分け入っていく。

石炭、石油、そして原発。エネルギー政策に翻弄され、悲劇に見舞われる人々。それでも生きること、希望を抱くことを諦めない、強いまなざしに圧倒される。 新メンバーを加え、躍動感みなぎる新しい「悲別」を、じっくり味わってほしい。

倉本聰 独占インタビュー

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久しぶりの上演となった演劇創作集団「富良野GROUP」の『悲別 2023』。
開幕直前の2023年12月、通し稽古を終えたばかりの倉本聰さんにお話を伺うことができました。文/加賀直樹

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1990年の初演から、何度も改稿再演されてきた代表作が、約10年ぶりに上演されます。今回の『悲別 2023』では、「作・監修」という立場ですね。
「富良野塾」の塾生を、演出家としても育てないといけないから、演出を久保隆徳(俳優・富良野塾11期生)が担い、僕は「監修」という立場に退きました。 久保は頑張っています。だいぶ苦労したと思います。
※「富良野塾」:1984~2010年、倉本さんが北海道・富良野に開設した、俳優・脚本家の養成塾。
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出演者は、「富良野塾」の卒塾生たちが2006年に立ち上げた「富良野GROUP」のメンバーに加え、全国でオーディションを実施し選んだそうですね。総勢なんと約100人が舞台に立ちます。
初対面のワークショップの時は、良い子たちだなと思いましたよ。ただ、いざ本番の稽古が始まると、修業不足であることがわかりました。 「芝居」とはどういうことか、鍛えていきました。今回のように、役者が演出する時はなおさら、役者の想像力を刺激し、そこから役をつくっていかないと。 過去の履歴や、舞台になる土地の地図などを細かく掘り下げて、初めて役が固まっていきます。
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「監修」という肩書でも、俳優一人ひとりと向き合う姿勢は「富良野塾」と変わらないのですね。
やらないと、(観客に)見せられるものができない気がしてきちゃって。 「富良野塾」「富良野グループ」という名がつく以上、良いものを見せないと。だから、ついつい口を出しちゃいましたね。 彼(久保)も、ハッと気がつくことはいっぱいあったと思います。
役者は、「自分ではない別の人間」を投影し、お客さんを納得させないといけない。人格をつくっていくのは大変な作業です。 その人間の過去を抉(えぐ)っていく。ときには醜い部分にも触れ、掘り起こす。みんな避けてしまいがちだけれども、大事な作業です。
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作品の舞台は架空の元炭鉱町「悲別」。町を捨て都会に出た者、町に残った者、それぞれの人生が絡み合います。 登場人物一人ひとりの「人生の選択」が皆、のっぴきならない。彼らの放つ言葉が説得力を持ち、躍動的な肉体表現と相まって、観る者に直接突き刺さります。
ときどき、「僕のやっていることは『パワハラ』じゃないか」って怖くなります。稽古では机をバチンって叩いて、本当に怒りますから。「何度言ったらわかるんだっ!」って。 愛情がなかったらできないですよ。ただ(芝居を)良くしたいから、わかるところまで説明するし、追い詰めもします。 「こんなこともわからないのか?」。でも「あほか!」って言葉もパワハラになっちゃう。たまんないよ、こんな社会は。指導には体力がいるんだけど、もう限界。
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とはいえ、今後も精力的に創作を続けてほしい。ファンが待っています。
2023年の11月の末には、(同じく日本ドラマ界を牽引した、脚本家・山田)太一さんが亡くなりました。ある人に「倉本さんは、太い木。 (山田)太一さんは細い竹のようですね」と言われたんです。木はボキッと折れることはあるけれど、竹は、しなって折れない。 「うまいこと言うなあ」って感心しました。太一さんと僕とは、方向性こそ違いますが、彼の目指したものは、僕が継がないと。 特に「男たちの旅路」シリーズ(NHK)のような時代の物語を描くことは、もう僕ぐらいしかいない。 「書かないといけないなァ」って今、思いを新たにしているところです。

放送情報

作・監修 倉本聰 「悲別2023」

2024 3 29 日(金) 21:00~23:00

放送エリア

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