タイBL(ボーイズラブ)がいま熱い!
テレビ雑誌編集者が選ぶアジアBLドラマ14選【2020-2021年】
2020.12.25.fri
タクミくんシリーズ第1弾「そして春風にささやいて」
© 2007 ごとうしのぶ/角川書店・タクミくんシリーズPartners
- TV初放送
- 衛星劇場で12/11(金)前1:30~ 、12/28(月)前1:45~
- 放送情報はこちら
全寮制の男子校・私立祠堂学院高等学校に通う葉山託生(柳下大)は、過去のトラウマが原因で“人間接触嫌悪症”に苦しみながら生きていました。2年生になり、大企業の御曹司で超絶美形、学院のアイドルであるギイこと崎義一(加藤慶祐)とルームメイトになると、託生の小さな世界は激変。ギイの友人の赤池章三(滝口幸弘)、ギイを好きな高林泉(齋藤ヤスカ)や自分を狙う野崎大介(牧田哲也)との関わり、何より底なしの優しさで包んでくれるギイの存在は、託生にとって欠かせないものになっていきます。原作は、「タクミくんシリーズ」と銘打たれたごとうしのぶのBL小説。漫画化とドラマCD化にとどまらず、映画と舞台で実写化もされ、日本のBL小説界にブームを巻き起こした大人気シリーズです。映画第1弾となる本作は、柳下大の繊細な芝居と加藤慶祐の華やかな風貌が相まって、託生とギイの心が近づく過程をロマンチックかつドラマチックに見せています。
タクミくんシリーズ第2弾「虹色の硝子」
© 2009 ごとうしのぶ/角川書店・タクミくんシリーズPartners
- TV初放送
- 衛星劇場で1/4(月) 深1:00~
- 放送情報はこちら
祠堂学院高等学校2年生の葉山託生(浜尾京介)は、寮のルームメイトであるギイこと崎義一(渡辺大輔)の愛情によって“人間接触嫌悪症”を克服。ギイの友人・赤池章三(滝口幸弘)や、わだかまりが解けた高林泉(細貝圭)、そして鈴木健志(高橋優太)とも気さくに話せるまでになりました。ようやく託生の穏やかな高校生活が始まる…と思いきや、ギイが1年生で一番の美少年と評判の森田徹(日和佑貴)を構いだし、ギイの自分への気持ちを疑って再び苦しむことになります。映画第2弾の本作から、キャストが一新。浜尾京介が演じる託生は可憐さの中に我の強さも感じさせ、ギイの心をつかんで離さないことも納得の魅力。渡辺大輔が演じるギイは色気が増して完全無欠の王者的な風格すら感じさせますが、そんなギイが託生にだけは敵わないところは、本シリーズの胸キュンポイントです。正反対だからこそ惹かれ合う、キャラクターと役者の相乗効果を楽しめます。
タクミくんシリーズ第3弾「美貌のディテイル」
© 2010 ごとうしのぶ/角川書店・タクミくんシリーズPartners
- TV初放送
- 衛星劇場で1/11(月) 深1:00~
- 放送情報はこちら
高校3年生になった葉山託生(浜尾京介)は、年ごとに寮の同室者を入れ替えるという祠堂学院高等学校の規則によって、恋人のギイこと崎義一(渡辺大輔)と寮生活を引き離されてしまいます。新しいルームメイトとして出会った三洲新(馬場良馬)は近寄りがたく、その三洲に想いを寄せる真行寺満(川隅美慎)が自分を慕うようになり、落ち着かない日々。さらに学院内ではギイの様子がおかしいという噂が流れ、真相を確かめようとした託生に、メガネをかけてそっけない態度をとるギイは「しばらく会わないでおこう」と告げます。ショックを受けた託生は、“人間接触嫌悪症”が再発してしまうのでした。映画第3弾の本作では、託生の絶望とギイの葛藤という重いテーマを軸に、登場人物たちの心理描写がより緻密に。託生の傷つきようにギイを恨む人もいるかもしれませんが…ギイのクールビューディーなメガネ姿と切ない表情に、やはりキュンとさせられるでしょう。
タクミくんシリーズ第5弾「あの、晴れた青空」
© 2011 ごとうしのぶ/角川書店・タクミくんシリーズPartners
- TV初放送
- 衛星劇場で12/4(金)前1:30~、12/21日(月)前1:00~
- 放送情報はこちら
葉山託生(浜尾京介)とギイこと崎義一(渡辺大輔)は、祠堂学院高等学校のアイドルであるギイとの仲を知られて託生が嫌がらせを受けないようにと、人目を忍んで交際を続けていました。そんなとき託生の兄の命日が迫り、誘うのを躊躇していた託生にギイから申し出てくれたおかげで、ふたりは一緒に墓参りへ行くことに。喜ぶ託生でしたが、当日にギイの生徒会行事が重なり約束が叶いそうにないと知って、ついギイを責めてしまいます。さまざまなトラブルを乗り越え積み重ねた愛と信頼を、ふたりはこれからも共有することができるのでしょうか。第2弾からカップル役を演じてきた浜尾京介と渡辺大輔が、託生とギイの間に流れる空気感、相手を想うがゆえの切ない心情を密に表現しています。また、全作で赤池章三役を務めた滝口幸弘の安定感のある芝居は、友人ふたりの恋をいつも見守る赤池そのもの。シリーズのラストを飾る1作として、見ごたえがたっぷりです。
Dark Blue Kiss 〜僕のキスは君だけに〜
©2019 GMMTV COMPANY LIMITED. All Rights Reserved. 提供:アジア・リパブリック13周年
- 衛星劇場で1/21(木)からアンコール一挙放送スタート
毎週(月)〜(金)前5:00〜7:00 ※2話連続放送 - 放送情報はこちら
大学生のピート(テイ)は裕福な家庭で育ち、父親にカオ(ニュー)との恋人関係を明かしています。しかしカオは、家計を支えつつ教師である母親の世間体を守る優等生で、ふたりのことを秘密にしたがってきました。そんなもどかしい状況で、カオが自分を狙うノン(AJ)の家庭教師を始め、ピートの嫉妬が暴走し…。またカオが通うカフェのオーナーのサン(ポッド)は、弟のレイン(プルーム)を案じるあまり、彼の友人モーク(フルーク)の素行に口出ししてばかり。お互いを煙たがるものの本音をぶつけ合い、心を通わせます。人生の問題を友人や家族の助けもあって乗り越える4人の姿、ピートがカオに告げる「ゲイだからいい人間になるわけじゃない」といった作品からのメッセージは、全世代に響くはず。ピートとカオを演じるテイとニューは大の仲よしで、アドリブ込みのじゃれ合いや、タイトルにある“ブルー”の映像美で描く“水中キス”はロマンティックです。
My Engineer~華麗なる工学部~
©2019 Ledao Entertainment Limited. All Rights Reserved. 提供:アジア・リパブリック13周年
- 日本初放送
- 毎週(月)後11:00〜深1:00ほか ※2話連続放送
- 放送情報はこちら
トカゲから守ろうとしたのを襲いかかったと勘違いされた工学部2年生のボーン(クーパー)は、顔面パンチをくらわせた医学部1年生のデュアン(ポーイ)に、お詫びとして1ヶ月欠かさず花を贈るよう要求します。すると大学内で女たらしを気取ってきたボーンが、無自覚で小悪魔なデュアンの言動に一喜一憂し、恋心を健気にアピールするように。会うたび口説き、はしゃいで飛びつくボーンを、ガッチリ体型のクーパーが大型犬のようなパワーで演じています。一方で満更でもない感を隠せないデュアンを、ポーイは対照的に小動物のような愛くるしさで表現。ふたりのテンポよいやりとりが楽しめます。ケンカから始まりライバルの存在に焦るピュアな恋、おせっかいな友人たちの厚い友情、さらに学部を越えた先輩後輩の絆…と、学校を舞台にしたタイドラマの醍醐味が満載。続編となるシーズン2の制作も決定しているので、まずは本作で「Engineer」シリーズにハマりましょう。
He's Coming To Me〜清明節、彼は僕のお墓の隣にやって来た
©GMM TV COMPANY LIMITED, All rights reserved. 提供:アジア・リパブリック13周年
- 日本初放送 衛星劇場で2/8(月)より放送スタート
※第1話先行放送 1/25(月)後11:00~深0:00
20年前に亡くなったメット(シントー)は霊となり、清明節(祖先を供養する日)に墓参りへ訪れる親類もなく、孤独に苛まれていました。ところがある年、タン(オーム)にだけは自身が見えると知って、メットの“人生”が再び始まります。また会う約束をし、メットの死の謎を解くため、ともに暮らしだすふたり。やがて別れが来るとわかっていても、惹かれ合うのを止められません。生死を分かちながらも出会えた以上の“奇跡”は、ふたりに起こるでしょうか。タイのBLドラマ「SOTUS/ソータス」シリーズに主演のシントーと「The Shipper」に出演のオームが共演する本作は、「とな墓」の名で熱い支持を受けています。くるくる変わる表情と大人びた包容力のギャップで、タンを魅了するメット。「あなたは俺たちと同じ」と、メットがこの世に存在する意味を伝える情熱的なタン。演技派の主演コンビがキャラクターの魅力を深め、単なる“悲恋”ではない物語を創り上げています。
思春期の悩みや家族間の問題、国独自の文化や校則…といった伝統的かつ身近なテーマに加え、現代らしくSNSをツールにした恋のやりとりが欠かせないアジアのBLドラマ。時代に合わせた進化を象徴するかのように、2020年だけでも続々と新作が誕生中です。この機会に、世界を魅了する“沼”につかってみてはいかがでしょうか。