華流・中国ドラマ見どころコラム

広大な国土を初めて統一した始皇帝や女帝として君臨した武則天など、現代にも語り継がれる偉大な人物を輩出してきた中国。そんな豊かな歴史を題材に作られた時代劇ドラマが、続々と日本に上陸し、注目されている。

ひとくちに中国時代劇といっても設定やストーリーはさまざまだが、人気のジャンルは大きく2つに分けられる。まずは王朝の存亡や家族の誇りをかけた戦いが展開する“男たちのドラマ”。漢王朝最後の皇帝・献帝には双子の弟がいたという大胆設定の「三国志 Secret of Three Kingdoms」では世の平和を求める若き皇帝が、朝廷を牛耳る重臣・曹操と対決。
大ヒットドラマの続編「 琅琊榜＜弐＞～風雲来る長林軍～」は優秀な軍を率いる兄弟が、国を揺るがす陰謀に立ち向かう。矢が飛び交い、人馬が入り乱れる合戦シーンやワイヤーを駆使した流麗な武術シーンなど、多彩なアクションも見ごたえがある。少林寺の門弟、武将、儒学者と、異なる立場の義兄弟3人がたどる愛と復讐のドラマを描く「少林問道」はリアルな少林寺拳法が見どころ。3人の感情や思惑が複雑に絡み合い、人間ドラマとしても味わい深い。

そしてもう一方は“ラブロマンス史劇”。ネット配信用のドラマながら50億円とも言われる制作費をかけて、無敵の女性将軍とひ弱な貴公子の結婚を描いた「花と将軍～Oh My General～」は、胸キュンポイント満載のラブコメ。ワダエミが担当した豪華な衣装や贅を尽くした貴族の暮らしぶりが華やいだ気分を盛り上げてくれる。
中国に長く伝わる神仙思想をベースにした「永遠の桃花～三生三世～」は神々の恋を描く壮大なファンタジー。ダイナミックなCGで、仙人や神々が自由自在に宙を舞い、不思議な術を繰り出すという夢幻の世界を映像化している。

急成長した中国経済を背景に、巨額の制作費が注ぎ込まれる中国時代劇。その潤沢な資金がクオリティーの高い映像を作ることを可能にしているのはもちろんだが、おなじみの「三国志」に新たな解釈を加えたり、規制の少ないネット配信で自由な発想を試したりとアップデートを続ける中国時代劇。常に進化を止めない姿勢に熱い視線が注がれている。