夏の甲子園が終わり、3年生引退後の新チームで行われる最初の公式戦が秋季大会です。
高校野球というと夏の甲子園に注目が集まりがちですが、秋季大会にも新たなチームや選手たちの活躍が見られる面白さがあります。
この記事では、秋季大会の注目ポイントを詳しく解説します。
目次
秋季大会は、8月中旬頃から11月にかけて大きく3段階に分けて行われます。
まず秋季都道府県大会が行われ、上位の結果を残したチームが秋季地区大会に出場できます。地区大会は、北海道、東北、関東、東京、東海、北信越、近畿、中国、四国、九州の10地区に分かれて開催され、各地区の優勝校が全国大会にあたる明治神宮野球大会への出場権を獲得します。
また、秋季大会は春に行われる「選抜高等学校野球大会」、通称”春のセンバツ”における出場校選考にも影響を与えます。
春のセンバツには、「一般選考枠」「21世紀枠」「神宮大会枠」の3つの出場枠があります。一般選考枠は秋季大会の成績を基に近畿や関東など各地区の枠数に応じて出場校が決定されます。「21世紀枠」は、①秋季大会で上位の成績を残している②高校野球の模範となる高校であるという2点を基準に推薦の形式で選出されます。
そして「神宮大会枠」は明治神宮野球大会(各地区大会の優勝校が出場する大会)の優勝特典として与えられ、優勝校の所属する地区の出場枠が1枠追加されます。
大会日程は大きく分けると以下のように進行し、4ヶ月に渡る長期間開催されます。
※東京大会は関東地区大会には含まれず、9月から10月にかけて東京都単体で行われます。そして優勝校が11月の明治神宮大会に出場します。
前述の通り、都道府県大会を勝ち抜くとその後には、地区大会と明治神宮野球大会が待っています。
まず、8月中旬頃から各都道府県で予選が行われます。予選の形式は地域ごとに異なり、トーナメントやリーグ戦形式で行われます。
リーグ戦では最初に4~5校がグループになって戦い、各グループの上位校が決勝トーナメントに進出し、優勝校を決めます。そして優勝校と準優勝校を含む2~4校が、地区大会に進出します。
秋季地区大会は、各都道府県大会を勝ち抜いた高校が10地区に分けられて開催されます。地区割は以下の通りです。
秋季地区大会は、10月中旬頃〜11月上旬にかけて開催されます。東京は関東地区には含まれず、東京都単体で大会が行われるため都大会が地区大会の役割を兼ねています。そして、秋季地区大会の優勝校が明治神宮野球大会への切符を手にします。
ちなみに、東京大会は夏の大会では東西に分かれてトーナメントが組まれますが、秋季大会では都内すべての高校が同じトーナメントの中で戦います。そのため、夏の大会では見られない対戦カードを見ることができる点も秋季大会のひとつの魅力となっています。
明治神宮野球大会は、各地区大会の優勝校が出場する、いわゆる全国大会に該当します。会場は大会の名前にもなっている明治神宮野球場です。
出場校数は各地区を勝ち上がった計10校のみ。そしてこの10校の中から優勝した高校が所属する地区は、春のセンバツの出場枠が1つ追加になる「神宮大会枠」を獲得します。
2023年の第54回明治神宮大会は11月15日(水)〜11月20日(月)の期間で行われます。
秋季大会の歴史は古く、1940年代にさかのぼります。まず初めに九州地区で1947年に第1回大会が開催され、関東地区は1948年が始まりの年とされています。
明治神宮野球大会は、その約20年後となる1970年に初めて開催されました。
明治神宮野球大会の始まりは、1970年11月に開催された「明治神宮鎮座50周年奉納野球大会」です。この時は大学の部のみしかありませんでしたが、第4回大会から高校の部も加わり、高校と大学の2部制となりました。
その後、2002年の第33回大会から春のセンバツの出場選考に「神宮大会枠」が設けられ、現在の大会の方式となっていったのです。
秋季大会(明治神宮野球大会)における歴代の優勝校の中で、唯一4回の優勝経験があるのが東北高校です。次いで優勝経験2回の高校が、仙台育英、大阪桐蔭、帝京、星稜の4校。中でも印象的なのは2021年、2022年の大阪桐蔭の連覇であり、これは明治神宮野球大会53年の歴史の中で1校のみの記録です。
ちなみに、連覇を果たした時の大阪桐蔭には、今年の「U18ベースボールワールドカップ」で日本の初優勝に貢献した前田悠伍投手が在籍し活躍していました。
年度 | 優勝校 |
---|---|
2022年 | 大阪桐蔭 |
2021年 | 大阪桐蔭 |
2020年 | (中止) |
2019年 | 中京大中京 |
2018年 | 札幌大谷 |
2017年 | 明徳義塾 |
2016年 | 履正社 |
2015年 | 高松商業 |
2014年 | 仙台育英 |
2013年 | 沖縄尚学 |
2012年 | 仙台育英 |
2011年 | 光星学院 |
2010年 | 日大三 |
2009年 | 大垣日大 |
2008年 | 慶応義塾 |
2007年 | 常葉菊川 |
2006年 | 高知 |
2005年 | 駒大苫小牧 |
2004年 | 柳ヶ浦 |
2003年 | 愛工大名電 |
2002年 | 中京 |
2001年 | 報徳学園 |
2000年 | 東福岡 |
1999年 | 四日市工 |
1998年 | 日南学園 |
1997年 | 横浜 |
1996年 | 上宮 |
1995年 | 帝京 |
1994年 | 創価 |
1993年 | 東北 |
1992年 | 世田谷学園 |
1991年 | 星稜 |
1990年 | 国士舘 |
1989年 | 東北 |
1988年 | (中止) |
1987年 | 堀越 |
1986年 | 帝京 |
1985年 | 松商学園 |
1984年 | 国学院久我山 |
1983年 | 岩倉 |
1982年 | 東北 |
1981年 | 明徳 |
1980年 | 星稜 |
1979年 | 東海大三 |
1978年 | 柳川商 |
1977年 | 東北 |
1976年 | 早稲田実 |
1975年 | 徳島商 |
1974年 | 福井商 |
1973年 | 若狭 |
1972年 | 大学の部のみ |
1971年 | 大学の部のみ |
1970年 | 大学の部のみ |
秋季大会は夏の甲子園が終わり、新体制で行われる初の公式戦です。球児たちにとっては、春のセンバツ・夏の甲子園と合わせて年に3回しかない貴重な大会であり、大会での成績は公式記録として残ることはもちろん、プロを目指す球児たちにとっては自身の実力をアピールする場でもあります。本大会の結果が春のセンバツの出場に大きく影響することから、非常に重要な位置づけとなっています。
秋季大会には夏の甲子園とは違った魅力があり、新しい注目選手を見つけることで来年の成長を楽しむこともできます。高校野球をさらに深く楽しみたい方は必見です。
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