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大宅 真樹の
クイック・パイプ使いの
魔術師のトスを見よ!
昨季リーグ連覇を果たしたサントリーサンバーズ大阪の司令塔が、今季は新天地でシーズンに臨む。
サントリーといえば身長218cmのオポジット、ドミトリー・ムセルスキーの印象が強いが、
実はセッターの大宅が巧みにクイックとパイプ攻撃(コート中央部分からのバックアタック)を使い、
攻撃を分散させていた。
サントリーでの大宅の7シーズンは、ムセルスキーという大砲がいる中で、彼だけに頼らず、
いかに中央からの攻撃を活かして勝つかを考え、挑み続けた7年間だった。
その集大成とも言えたのが昨季。相手ブロッカーと駆け引きしながらクイックと、
髙橋藍やデ・アルマス アラインのパイプ攻撃を最大限に活かし、ライト、センター、レフトの攻撃が
バランスよく3分割される試合が多かった。
髙橋藍は大宅を「“あえて”使うセッター」と表現している。例えば自チームのスパイカーが
サーブレシーブ時に体勢を崩した場合、相手はその選手からマークを外すのを見越して“あえて”その選手に
トスを上げる。
スパイカーも大宅の意図がわかっているから、すぐに立ち上がり助走に入る。
そんな強気で躍動感あふれるコンビを、新天地でも見せてくれるはずだ。
text by 米虫 紀子 (Noriko Yonemushi)

