巨人、開幕から３カード勝ち越し 「ストップ・ザ・連敗」がＶの条件

2016年4月5日(火)更新

巨人、開幕から３カード勝ち越し
「ストップ・ザ・連敗」がＶの条件

　プロ野球は開幕から各チームとも３カードを消化しました。４月３日終了時点でセ・リーグは巨人、パ・リーグは千葉ロッテが首位に立っています。

　巨人は開幕戦から前年チャンピオンの東京ヤクルトを相手に３連勝し、続く横浜DeNA戦を２勝１敗で乗り切りました。敵地・広島での戦いは黒田博樹投手に完封された試合もありましたが、３戦目を延長戦で制して再び２勝１敗。３カード連続で勝ち越しました。

優勝確率90％

　中でも対ヤクルト～DeNAと続いた開幕４連勝が注目を集めました。巨人の新監督による開幕４連勝は、1981年の藤田元司さん以来２人目とのことです。

　巨人の開幕４連勝以上のシーズンは、過去に10回あります。

　開幕７連勝：1941年・藤本定義監督（大阪○黒鷲○南海○黒鷲○名古屋○南海○○）、2013年・原辰徳監督（広島○△○横浜○○中日○○○）。開幕５連勝：1953年・水原茂監督（国鉄○○広島○○大阪○）、1957年・水原茂監督（国鉄○○○大洋○○）、1983年・藤田元司監督（大洋○○ヤクルト○○○）、1998年・長嶋茂雄監督（ヤクルト○○○広島○○）。開幕４連勝：1939年・藤本定義監督（南海○大阪○阪急○名古屋○）、1977年・長嶋茂雄監督（中日○○大洋○○）、1981年・藤田元司監督（中日○○大洋○○）、1990年・藤田元司監督（ヤクルト○○阪神○○）。

「歴代の先輩と比較されるのはまだまだ失礼だと思っています」

　勝っても負けても表情を変えない高橋由伸新監督は、開幕４連勝にも控えめな受け答えでした。

　この10回のうち巨人が優勝を果たしたシーズンは９回あります。優勝確率９割となれば、ファンの期待が高まるのも無理はありません。

　唯一、優勝を逃がしたのは98年です。その戦績を洗い直してみると、優勝への重要なファクターが見えてきました。それは「連敗」です。98年に巨人は２連敗13回、３連敗５回、４連敗１回を喫しています。合計45敗。

連敗しない強さ

　1981年（２連敗11、３連敗４＝34敗）。1983年（２連敗９、３連敗１、４連敗１、５連敗２＝35敗）。1990年（２連敗９、３連敗２＝24敗）。2013年（２連敗６、３連敗４、４連敗２、５連敗１＝37敗）。

　優勝した他の年と比べて、98年の45敗は連敗負け数として群を抜いていました。

　この年の巨人はシーズン中盤に失速しました。開幕５連勝を果たしたものの、序盤に４連敗、３連敗とつまづき貯金をはき出します。さらに７月には２連敗を１度、３連敗を２度喫します。投手陣の一角を担っていたバルビーノ・ガルベス投手が出場停止処分を受けたこともあり、後半戦は一度も首位に立つことなく３位でシーズンを終えました。

「連敗はしない」。巨人ナイン全員の強い意志が感じられたのは、４月３日の対広島戦（マツダ）でした。８回裏に追いつかれたものの、投手陣が踏ん張ります。クローザーの澤村拓一投手は２イニングを踏ん張り、勝ち越しを呼び込みました。

　優勝の近道は連敗をしないこと。当然、高橋監督もそのことを意識しているはずです。