ワールドカップ開幕戦でジャパンと対戦するロシア代表が6月4日から15日にかけてウルグアイで開催された「ワールドラグビー・ネーションズカップ」(ネーションズカップ)に出場しました。結果は2勝1敗で優勝したウルグアイ代表に次ぐ2位でした。
ネーションズカップはワールドカップに出場するロシア(世界ランキング20位)、ウルグアイ(同16位)、ナミビア代表(同22位)にアルゼンチン選抜を加えた4チームで行なわれました。ロシアは初戦でウルグアイに26対48で敗れたものの、第2戦でアルゼンチン選抜を48対40で破りました。最終戦はナミビアに20対0と完封勝ちを収めました。
ロシアはジャパンの入るプールAにおいて、世界ランキング最下位のチームです。ワールドカップは2011年ニュージーランド大会以来2大会ぶり2度目の出場です。8年前は1勝もできずに大会を去りました。ヨーロッパ予選は3位からの“繰り上げ当選”でワールドカップ出場権を獲得しました。上位2カ国に出場選手規定違反による勝ち点剥奪があったからです。それもあってロシアを格下と見る向きもありますが、油断大敵です。
ジャパンはロシアと過去、6回対戦し、5勝1敗と大きく勝ち越しています。直近では昨年11月のヨーロッパ遠征で対戦し、32対27で勝利しました。しかし前半は10対22とリードを許すなど苦戦を強いられました。試合後、ジェイミー・ジョセフHCは「前半にターンオーバーを10回、ペナルティーを8回犯してしまった。プレッシャーのかかっている中でそのようなことをしてしまったのは自らの首を絞めるような行為」と厳しい表情で語っていました。
打って変わって後半はジャパンが圧倒しました。スクラムハーフを茂野海人選手から流大選手、スタンドオフを松田力也選手から田村優選手に代え、攻撃のリズムが一変しました。この選手起用が当たり、3トライを奪って逆転に成功したのです。後半32分のフランカーのリーチ・マイケル選手のトライは田村選手のキックパスから生まれました。規律の部分でも改善が見られ、後半にジャパンが犯したペナルティーは、たったひとつでした。
ロシアとどう戦うか。前回のワールドカップイングランド大会で、対戦国の分析、対策を任された2人に話を聞きました。まずは最終スコッドに入りながら本大会では出番がなかった廣瀬俊朗さんです。
「ロシアはフィジカルの強さとキックの精度に秀でています。日本としては、まずブレイクダウン(タックル成立後のボールの争奪戦)を制すること。そして、相手が蹴り込んできたボールを確保してのカウンターアタックがポイントになると思います。ロシアとの試合は9月20日ですから、まだ暑いはず。スタミナを奪うためにも、ロシアを走らせることが大事。ゆっくり攻撃するのではなく、速いテンポで仕掛けたい。点差に余裕が生まれればボーナスポイントを狙いにいってもいいのですが、あまり欲張ってはいけません」
続いてイングランド大会でコーチングコーディネーターを務めた沢木敬介さんです。沢木さんはエディー・ジョーンズHC(当時)の右腕と呼ばれ、対戦相手に応じ、練習メニューを作成しました。
沢木さんが強調したのは序盤の重要性です。
「前半の20分までで、しっかりとゲームをコントロールできているか。それができていれば、得点が入らなくても、トライが取れなくても焦ることはない。ロシアはフォワードが強力なので、その武器を発揮させないエリアマネジメントが重要になってきます。ジャパンがペナルティーを犯し、相手ボールのラインアウトで自陣の22メーターライン以内でガツガツ攻められる。これが一番避けなければいけないこと。これさえやられなければ難しい相手ではありません。ジャパンとしてはインプレーの時間を長くして、ボールを動かし続けたい。日本の暑さはロシアの選手にはこたえるはずです」
そういえば、日韓共催となった2002年のサッカーワールドカップでも、日本は2戦目のロシアに勝って勢いに乗り、初の決勝トーナメント進出を果たしました。その意味でロシアは「縁起のいい相手」と言えるかもしれません。
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