リーグワン初代王者に輝いたのは埼玉パナソニックワイルドナイツ。不戦敗を除くすべての試合で勝利しました。ロビー・ディーンズ監督は「突出したスターはいないかもしれないが、2人の素晴らしいリーダーのおかげ」と称えました。名指ししたのは、2人のフッカー、堀江翔太選手と坂手淳史選手です。1+1が「2」ではなく「3」にも「4」にもなっている印象を受けます。
ラストシーズンとなった昨季のトップリーグに続き、“連覇”を達成した埼玉。今季は選手、スタッフにコロナの陽性者が続出したため、開幕2戦は不戦敗という苦しいスタートでした。そこからプレーオフも含め破竹の16連勝。無傷で頂点まで駆け上がりました。ディーンズ監督は2人のリーダーの仕事ぶりをこう評価します。
「準備から試合に至るまでリーダーがチームを引っ張っていく。その2人のおかげで今のチームワークは醸成された」
まずは36歳の堀江選手。リーグワン初代MVPに加え、ベストフィフティーン、選手間投票による“対戦相手として、最も苦しめられた選手”に贈られるプレーヤー・オブ・ザ・シーズンも受賞し、個人3冠に輝きました。
堀江選手は全16試合(プレーオフを含む)に出場しましたが、先発は1試合のみ。坂手選手との交代がチームを活性化させました。埼玉が「後半に強い」と言われるのは、とりもなおさず、経験豊富な堀江選手がベンチに控えていたからです。今季、前半にリードを許したのは5試合。そのうちの4つが堀江選手投入後の逆転勝ちです。
堀江選手は東京SGとの決勝戦でも後半6分から坂手選手との交代でピッチに立つと、攻守でチームを牽引しました。31分にはスクラムで相手のコラプシングを誘発。その後の貴重なトライに結び付けました。守っては体を張って、東京SGをノートライに封じ、チームをリーグワン初代王者に導きました。
その堀江選手、MVP受賞後のスピーチで、「感謝しなければならない人がたくさんいる」と話した後、帝京大学の8学年下の後輩について言及しました。
「坂手が一貫性を持っていいパフォーマンスを出し続けてくれたからこそ、僕のいいプレーにつながった」
MVPの副賞は100万円。その使い道について、「坂手と、ちょっといいメシ食いに行きます」と笑顔で答えました。
一方の坂手選手は先発としての誇りを滲ませます。今季出場した15試合中14試合がスターターでした。
「前半はどこのチームも強い。それをしっかり受け止めていい試合をし、後半につなぐのがスターターの仕事」
そして、こうも言っていました。
「それぞれの役割がある。まずは僕がしっかり役割を果たすこと。それにより堀江さんが活躍してチームが勝っている」
坂手選手は持ち前の低いタックルを武器に守備面で貢献したことに加え、今季は6トライをあげるなど攻撃面でも成長の跡を見せました。6トライはフッカーに限れば2位タイです。先輩の堀江選手からアドバイスを受けたことで、ラインアウトでのスローイングも安定したといいます。
「力をかけずに放ることができるようになった。回転数が上がって風に負けないようになりました。少しずつ成長できていると思います」
この2人は5月31日に発表されたジャパンにも名を連ねました。さらに坂手選手は東京SGの流選手と共同主将にも抜擢されました。ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「責任感、団結力をもたらしてくれる」と坂手選手のリーダーシップを評価しています。
2人は2019年W杯日本大会でベスト8進出に貢献しました。堀江選手は5試合、坂手選手は4試合に出場。当時は堀江選手が先発、坂手選手がリザーブという関係でした。今後はこれが逆になるのではないでしょうか。リーグワンでの成果を代表に生かさない手はありません。
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