3日、東京・秩父宮ラグビー場で関東大学ラグビー対抗戦Aグループが行われ、全国大学選手権で最多16度の優勝誇る名門・早稲田大学が、同選手権3連覇中の帝京大学を48対17で破りました。早大が対抗戦で帝京大に勝利したのは4年ぶりでした。
快晴の空の下、今年度の大学リーグ最多の1万2883人の観衆が集まった秩父宮ラグビー場。先制したのは早大でした。
前半13分、敵陣に迫るとスタンドオフ服部亮太選手のライナー性のパスを受けたウイング田中健想選手がインゴール右隅に飛び込みました。2人はともに1年生。服部選手は佐賀工業、田中選手は桐蔭学園の出身です。服部選手は昨年度、チームを全国高校セブンズラグビー大会優勝、全国高校ラグビー大会(花園)ベスト4進出に導き、高校日本代表に選出された期待の司令塔です。また田中選手は全国高校選抜大会と花園の2冠の原動力となったトライゲッター。2人とも対抗戦初戦から全戦で起用されています。
服部選手は身長178センチ、体重80キロとやや細身ながらロングキックが持ち味、一方田中選手は身長172センチ、体重76キロと小柄ですが体幹が強く当たり負けしません。
田中選手は19分、21分にもインゴール右隅にトライを挙げ、前半だけでハットトリックを達成。いずれも服部選手が起点となりました。その服部選手は前半終了間際に軽やかなステップを踏み、トライも決めました。前半は早大の26対10。
後半に入っても早大は攻撃の手を緩めません。6分に田中選手、27分には服部選手がトライ。40分には田中選手がハーフウェイライン付近で相手のパスをインターセプトすると、そのまま約50メートルを独走、インゴール右中間に飛び込みました。これで48対10。
早大は終了間際、帝京大に1トライ1ゴールを返されたものの、終わってみれば48対17。これでチームは今季4連勝、1試合消化の多い首位・明大(5戦全勝)を追いかけます。田中選手はこの日5トライを挙げ、プレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)に輝きました。
この日早大が奪った7つのトライは、全て1年生コンビによるものでした。
試合後、早大・大田尾竜彦監督は殊勲の田中選手について、「1年生ながら堂々とした、いいプレーだったと思います」と述べ、続けました。
「1年生には珍しいのですが、気負いせずに臨み、ある時パッとスイッチを入れられるところが非常に良い。対抗戦が始まったときは少しプレッシャーと緊張もあったと思うんですが、慣れてきて本来の力を発揮している」
もう1人の1年生・服部選手は大田尾監督の佐賀工業の後輩です。「彼はチームを救ってくれているし、しっかりプレーメーカーとして機能している。非常に恵まれた才能を持っていて、練習もしっかりとする。成長する余地は大いにあります」と前置きした上で、「ポジショニングやパスをする時の細かいところとかを、上に行っても困らないようにしないといけない。プレッシャーを背負いながらプレーする位置も覚えさせないといけない。彼の高校時代の癖を抜きつつ、教えています」と述べました。
大敗を受け、帝京大・相馬朋和監督は「全てにおいて早稲田さんが上回っていた」と言葉少なに語りました。今年度の大学選手権は、早大の2人のスーパー1年生に注目です。
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