流ジャパンvs.姫野ジャパン。日本代表のW杯ベスト8進出に貢献した2人の代表選手が、楕円球をコントローラーに持ち替えて対決しました。果たして結果は?
流大選手と姫野和樹選手、帝京大学の先輩と後輩が“激突”したのは8月30日、ピッチではなくオンラインでした。
名称は「eリポビタンDチャレンジカップ2020」。プレイステーション4のラグビーゲーム「RUGBY20」を用いたeスポーツです。
言うまでもなくeスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略。対戦型が基本で家庭用ゲーム機器、モバイルなどで楽しむものです。
トレーニングウェアに身を包んだ2人、自宅からコントローラーで“選手”たちを操りました。
ちなみに姫野選手は、自称ナンバーワンの腕前です。ソファや普通の椅子ではなくゲーミングチェアに腰掛けたところに上級者ぶりが窺えました。
この「eリポビタンDチャレンジカップ2020」、本来は7月5日に開催予定でしたが、熊本豪雨災害により、開催が約2カ月ズレ込みました。
実況はフリーアナウンサーの矢野武さん、解説はラグビージャーナリストの村上晃さん。リアルのラグビー中継さながらのトークで試合を盛り上げました。
試合前にはジャパンのジェイミー・ジョセフヘッドコーチのビデオメッセージが流れました。
「これは遊びではなく真剣勝負です。全力を尽くした選手は代表に選ばれ、そうでない選手は罰ゲームのエクササイズを与えましょう」
キックオフは18時半過ぎ。先制したのは赤と白のホームジャージーの流ジャパンです。ウイングに起用したレメキ・ロマノ・ラヴァ選手が個人技を存分に生かしてインゴール右に飛び込みました。対する姫野ジャパンはすぐさま反撃を開始。上級者ぶりを遺憾なく発揮し、3トライを奪う猛攻で前半を19対5で折り返しました。
コツを掴んだのか、後半に入ってから流ジャパンの動きが良くなります。レメキ選手が2トライを奪う活躍もあり、25対19と逆転に成功したのです。
しかし、姫野ジャパンは37分に途中出場のプロップ具智元選手がトライ、スタンドオフ田村優選手のコンバージョンキックが決まり、26対25とまたもや試合をひっくり返します。
試合時間(ゲーム上)は80分を超え、残すところあとワンプレー。流ジャパンが自陣でボールを奪い返すと、最後のアタックを仕掛けます。ウイング福岡堅樹選手がスピードを生かし、左サイドを駆け抜けました。姫野ジャパンのディフェンスをスルリスルリとかわし、そのままインゴール左へ。土壇場での大逆転トライに流選手は思わずガッツポーズ。一方の姫野選手は茫然と立ち尽くしていました。
スコアは30対25。この模様は日本ラグビー協会の公式ユーチューブチャンネルで配信され、9月2日現在で4万5000を超える視聴回数を記録しています。ファンからの反応も良好で、ツイッターでは<またやってほしい!><最高の試合!><他の選手同士の対決も!>と言った書き込みが相次ぎました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、世界中で多くのスポーツが中止や延期に追い込まれました。ラグビー界においても、この秋に予定されていたジャパンのテストマッチは軒並み中止となりました。
そんな中、日の目を浴びているのがeスポーツです。近年では世界的なアスリートがeスポーツに参戦するケースが増えています。テニスの錦織圭選手や大坂なおみ選手、ラファエル・ナダル選手、アンディ・マリー選手、ビーナス&セリーナのウイリアムズ姉妹、バスケットボールの八村塁選手、サッカーの岡崎慎司選手、ラグビーの山田章仁選手……。
山田選手が所属するNTTコミュニケーションズシャイニングアークスの内山浩文GMからは、こんな話を聞きました。
「NTTグループとしてもeスポーツを強化しています。これもご縁なんですが、我々の本拠地である千葉県・浦安市はeスポーツの全国大会を開催しているまちです。市長がゲーム機を持ってテレビ番組に出るなど、まちをあげてeスポーツを盛り上げようとしています。そういったところの親和性は考えられるかなと思いますね」
リアルとバーチャルの融合――。リアルの側にはeスポーツを“黒船”と恐れる向きもありますが、個人的にはリアルへの入り口になるのでは、と期待しています。そのチャレンジはまだ始まったばかりです。
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