残り3節となったリーグワンディビジョン1リーグ戦。首位は埼玉パナソニックワイルドナイツ。2位の東芝ブレイブルーパス東京に勝ち点9差をつけています。目下13連勝中。上位4チームまでが進めるプレーオフ進出を確定させた直後の第13節(4月12日、東京・秩父宮ラグビー場)でも、リコーブラックラムズ東京を50対26と一蹴しました。
0対0の前半5分、ウイング竹山晃暉選手が自陣からボールを敵陣に蹴り込むと、ツーバウンドしてタッチラインの外へ。「50:22」(自陣から蹴ったボールが敵陣22mラインを超えて間接的にタッチラインの外に出るキック)ルールにより、敵陣右でマイボールラインアウトを得ました。
ワイルドナイツは最初の決定機を逃しません。インゴールまで5メートルのラインアウトからモールを組み、最後はフッカー坂手淳史選手が仕留めました。
18分には敵陣でターンオーバーを連発し、ロックのエセイ・ハアンガナ選手がインゴール中央に飛び込み、リードを17対7と広げます。
特筆すべきは、ワイルドナイツの敵陣22メートルライン内侵入後の決定力です。キックオフからの25分間で4度(相手のペナルティーがあり、攻撃が続いた場合は1度とカウント)、22メートルライン内に侵入し、そのすべてでトライを獲り切りました。決定力、言い換えれば、精度の高いアタックが光りました。
試合後、キャプテンの坂手選手はこの週のテーマを「精度」にしていたことを明かしました。
「リコー(ブラックラムズ)がどういうプレーをしてくるかはある程度分かっていたので、そこに対して自分たちは精度高くプレーすることにフォーカスしました。精度という言葉は大きな括りになりますが、そのためのひとつひとつにディテールがあり、正確性を持ってプレーすることをみんなで共有していました」
一方、ブラックラムズのキャプテン、フッカー武井日向選手は対照的なコメントを口にしました。
「自分たちの精度が悪く、ターンオーバーを許してしまう場面も多かった。そこからパナソニック(ワイルドナイツ)さんのアタックでスコアが開いてしまった」
昨シーズンの教訓が生きているようです。ワイルドナイツはリーグ戦を15勝1敗のトップでプレーオフに進出しながら、決勝ではクボタスピアーズ船橋・東京ベイに敗れ、リーグワン連覇を逃しました。司令塔の松田力也選手は「どこか驕りがあったのかもしれない。決勝では自分たちのやりたいラグビーができなかった」と苦渋の表情で語りました。
それを踏まえ、ロビー・ディーンズ監督は試合後の会見で、「その週より先のことは見ていません。タフな大会でもありますし、先を見てしまうとすごく苦しんでしまうと感じています。それは試合の流れだけでなく、スコアボードにも表れます」と語り、こう続けました。
「一戦一戦、対戦相手が自分たちに対してどう戦ってくるのかを考えて対策を練り、当日に何も驚きがないようにしています。毎週、自分たちは試されているので、そこから学んでいき、次に進んでいきたいと思っています。これを機に選手層の厚さと幅を伸ばして、どんなタイプの相手にも対応できるようにしていきたい」
ワイルドナイツのプレーの精度の高さは、チームスタッツにも表れています。スポーツ中継局J SPORTSラグビーサイト(データ提供・Opta)のチームスタッツランキング(トライ、ボールキャリー、ラインブレイク、ディフェンス突破数、ゲインメーター、オフロードパス)では、6項目中5つでトップの数字を記録しています。最後の詰めの精度を高めるため、ひとつひとつのプレーの爪を研ぐワイルドナイツ。王座奪還に向け、いよいよ視界は良好です。
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