ジャパンはW杯1次リーグ第2戦でアイルランドと対戦します。現在、世界ランキング3位の強豪です。昨年のシックスネーションズの優勝チーム、しかも全勝でした。11月には世界ランキング1位のニュージーランドを16対9で撃破しています。
こうした活躍が認められ、昨年11月、ワールドラグビー主催の年間表彰式において年間最優秀チームに選ばれました。さらにはスタンドオフのジョナサン・セクストン選手が最優秀選手賞、ジョー・シュミットHCが最優秀コーチ賞に輝くなど、アイルランドは人材の宝庫でもあります。
ジャパンは2年前に国内でテストマッチを2試合行っています。スコアは22対50、13対35。来日したアイルランドはセクストン選手ら主力を欠く、いわば“1.5軍”だったにもかかわらず、歯が立ちませんでした。
そのアイルランドは2月2日(現地時間)、連覇がかかる今年のシックスネーションズで、ジャパン前HCのエディー・ジョーンズHC率いるイングランドと対戦しました。前半は10対17、後半に入っても悪い流れを変えることはできませんでした。2トライを追加されて20対32で敗れました。
アイルランドの弱点は何か。それをイングランドの戦いぶりから探ってみましょう。この試合のテレビ解説を務めた大野均選手(東芝ブレイブルーパス)はこう話していました。
「アイルランドにはセクストンという世界最高のスタンドオフがいます。イングランドは80分間、彼にプレッシャーを与え続けた。それがミスを誘発して、アイルランドを思い通りにプレーさせなかったんです。ジャパンもこれをやり通すことができれば……」
イングランドの狙いは背番号10、セクストン選手でした。司令塔に攻撃の資源を集中したのです。
参考になるシーンをあげましょう。後半36分、自陣でボールを受けたセクストン選手にイングランドの選手が激しいプレッシャーをかけました。セクストン選手はすぐに味方へパスを送りましたが、近場へ放ったボールを2人目のディフェンスがインターセプト。そのままダメ押しのトライに繋げました。
今回のシックスネーションズで優勝したウェールズは、アイルランドにかわり世界ランキング2位に浮上しました。3月17日に行われた最終節ではアイルランドを25対7で破り、見事全勝優勝を果たしました。ウェールズもイングランド同様、セクストン選手にプレッシャーをかけ続けました。司令塔を封じることでアイルランドに沈黙を強いたのです。
イングランドとウェールズはアイルランドの弱点をあぶり出してくれました。アイルランドは背後の守備に不安を抱えているのです。
具体的に見てみましょう。イングランド戦では前半30分に自陣でキックパスを送られ、処理に手間取っている間にトライを奪われました。後半16分の被トライも左サイドから縦に大きく蹴り出されて、独走を許したものです。ウェールズ戦では前半4分にキックパスでディフェンスラインの裏を突かれ、先制トライを奪われました。
それについては元ジャパンのキャプテン菊谷崇さんの指摘が参考になります。
「ジャパンは“表”と“裏”のパターンをしっかりと持っています。“表”のダミーを使って、フォワードの“裏”への攻撃でキックパスなどを送る。常に良い状況判断をしつつ、いかにボールを外まで運べるかを考えながらやっていければアイルランドからもトライが奪えると思います」(「WOWOW oficial」2019年3月12日配信)
キックパスで相手のスペースを突くのはジェイミー・ジャパンの得意とするところです。その意味でジェイミー・ジョセフHC体制以降、唯一全試合に出場しているスタンドオフ田村優選手(キヤノンイーグルス)のスキルは武器となるはずです。アイルランドが格上であることは言を俟ちません。しかし、4年前、ジャパンはW杯で2度の優勝を誇る南アフリカを破っているのです。アイルランドが難攻不落の城でないことは選手が一番よくわかっているはずです。
データが取得できませんでした
以下よりダウンロードください。
ご視聴いただくには、「J:COMパーソナルID」または「J:COM ID」にてJ:COMオンデマンドアプリにログインしていただく必要がございます。
※よりかんたんに登録・ご利用いただける「J:COMパーソナルID」でのログインをおすすめしております。