昨季、リーグワン6位に終わったクボタスピアーズ船橋・東京ベイは、今季(2024-25シーズン)、フラン・ルディケヘッドコーチ(HC)体制9季目のシーズンを迎えます。2022-23シーズンに念願のD1初優勝を果たしたものの、昨季はプレーオフトーナメントにすら進めませんでした。
「『Proud Billboard』(強く、愛されるチームを目指し、ステークホルダーの誇りの広告塔となる)というビジョンは変わらない。22-23シーズンに優勝した時の感動のシーンをまた見たい。あの経験、感覚をもう一度味わうためにはハードワークしなければならない。昨シーズンに関しては、そこが足りなかった。ただ、いい学びも多かったので、そこを生かしてやっていきたい」
5日、ホストエリアの東京都江戸川区にある複合施設「タワーホール船堀」で行われた新シーズンに向けた方針発表記者会見に、チームジャージとデニムパンツ姿で登壇したルディケHCは、笑顔でこう語りました。なお24-25シーズンは12月21日に開幕(スピアーズの初戦は22日)します。
昨季は6位に終わったものの、ルディケHCは「3つの学び」があったと言います。
「1つ目はスロースタートだったこと。言いわけをするわけではないがケガ人が多く、コンディションが100%じゃない選手が(試合に)出ていた」
開幕戦は東京サントリーサンゴリアスに26対52とダブルスコアで完敗。開幕5試合で2勝3敗と出遅れたことが最後まで大きく響きました。
チームにとって誤算だったのは南アフリカ代表フッカーのマルコム・マークス選手とオーストラリア代表76キャップのスタンドオフ、バーナード・フォーリー選手の故障です。マークス選手はW杯フランス大会中にヒザを負傷し、昨季は全休。フォーリー選手は第3節の静岡ブルーレヴズ戦で故障し、第11節まで欠場しました。
2つ目の学びは「選手層の薄さ」です。
前述したセットプレーのキーマンであるマークス選手、司令塔のフォーリー選手に加え、スクラムハーフにもケガ人が続出しました。本職はスタンドオフの岸岡智樹選手をスクラムハーフの控えとしてベンチに置くといった緊急事態に見舞われました。
ただ“ケガの功名”もありました。主力の不在は、その穴を埋める選手にとってはチャンス。シーズン終盤、アーリーエントリーで加入したフッカー江良颯選手、プロップ為房慶次朗選手ら若手がインパクトを残しました。特に為房選手はその活躍が評価され、エディー・ジョーンズHC率いる日本代表に選ばれました。
今季は2試合増えることで、例年以上にタフな戦いが待っています。すなわち主力選手の欠場や疲労を考慮したチームマネジメントが求められます。
そして3つ目が決定力です。
「昨季は自信が足りず、2回ほど勝ち切れない試合があった。どちらも勝っていた試合で接戦でのラストプレーが結果に影響(1分け1敗)した」
指揮官が指摘したのは第3節と13節のブルーレヴズ戦です。いずれも試合終了間際までリードしながら同点または逆転を許しました。昨季はブルーレヴズ戦の2試合を含め7点差(1トライ1ゴール差)以内の試合の戦績は3勝1分け5敗。接戦で勝ち切れませんでした。
ルディケHCは最終戦終了後、渋い表情で接戦をモノにできなかった理由として「大事なラストプレーでペナルティがもらえなかったり、ベーシックなプランが遂行できなかった」ことをあげていました。
ルディケHCはジェイミー・ジョセフHC退任後、日本代表HCの最終候補に残ったほど評価の高い指導者です。昔から失敗で得られる学びは、成功への近道と言われています。オレンジアーミーも2度目の歓喜を待っています。
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