二宮清純
二宮清純コラム ノーサイドラウンジCOLUMN
2019年3月14日(木)更新

NZがやってくる!
大分の“おもてなし”

 ラグビーW杯日本大会の組織委員会は11日、東京都、千葉県、大分県の3都県が決勝トーナメント進出8チームの公認キャンプ地に決まったと発表しました。1次リーグと決勝トーナメントの公認キャンプ地は61の自治体に及びます。大分県は決勝トーナメントでは首都圏以外で唯一の公認キャンプ地となります。

世界最高峰を体感

 ラグビーW杯は夏季オリンピック、サッカーW杯に次ぐスポーツ世界三大イベントのひとつと呼ばれています。記念すべき第1回大会は1987年にオーストラリアとニュージーランドで開催されました。過去8大会の優勝チームはニュージーランド代表が3回、オーストラリア代表と南アフリカ代表が2回、イングランド代表が1回です。

 アジア初となる日本での第9回大会は、9月20日から11月2日までの約1カ月半、開催されます。大分県は大分市の昭和電工ドーム大分で以下の3試合が組まれています。

 10月2日のニュージーランド代表対カナダ代表戦、5日のオーストラリア代表対ウルグアイ戦、9日のウェールズ代表対フィジー代表戦。

 最大の目玉は、言うまでもなくオールブラックスの愛称で知られるニュージーランド代表です。3連覇を狙う今回も当然、優勝候補の大本命です。

 オーストラリアとウェールズもぜひともナマで見たいチームです。こうした世界の強豪チームを迎え入れる広瀬勝貞知事は、「皆さんにはぜひ観戦に行くなり、雰囲気を楽しむなりして、ラグビーW杯を存分に体感してもらいたいですね」と熱っぽく語っていました。

 さて、公認チームキャンプ地の決定に際し、ワールドラグビーのビル・ボーモント会長はこうコメントしました。

「公認チームキャンプ地は、各国の代表チームが試合に備えるための最適な基盤をチームに提供するという点で、ラグビーW杯にとって不可欠な要素です。同時に、これまでのラグビーの遠征と同じように、チームが開催国の各地の人々や地域社会と交流する機会を提供することも重要です。これは、どのラグビーW杯とっても欠くことのできない文化的側面であり、スポーツの最高峰のイベントにおいて、国を代表するという幸運にある選手にとってハイライトの一つです」

 大分県の受け入れ態勢はどうなのでしょう。広瀬知事に聞きました。

「世界の強豪チームの皆さんに気持ちよく試合に臨んでいただくため、最高の環境を整えたいと考えています。一つはグラウンドの芝生です。自然の芝に人工の芝で補強したハイブリッド芝にしたい。もう一つは、現在、会場となる大分スポーツ公園内に整備中の武道スポーツセンターです。会場に隣接しており、ボランティアセンターとして活用したい」

経済効果は253億円

 大分県の“おもてなし”は来日するラグビーチームだけに向けられたものではありません。ここには別府、由布院に代表される国内有数の温泉があります。

<ワールドラグビーの公式旅行代理店からは外国人向けに「四つ星相当」のホテルを確保するように求められた。だが、別府、由布院など国内でも指折りの温泉地の利用を逆提案。交渉の結果、温泉旅館への宿泊を了解させた>(「時事通信」2018年9月20日)

 県の試算によると<W杯の経済波及効果は253億円。18万9000人の観客が見込まれ、そのうち外国人は4万8000人>(同前)に上ります。

 再び広瀬知事です。

「大分県は、この5年間でインバウンド(訪日外国人観光客)の宿泊客が3倍以上に増え、昨年は140万人ぐらいでした。その内訳は、ほとんどがアジアの方で、欧米やオセアニアの方は全体の約2%にとどまっています。観光振興の観点からも、こうした国々からのお客さんを増やす必要があります」

 大会期間中はラグビーが盛んなオセアニアからの訪日客が大勢見込めます。大分の海の幸、山の幸もおもてなしには欠かせない“食の観光大使”です。

 広瀬知事にはキーワードについても聞きました。

「それは『世界に繋がる』です。ラグビーの精神を通じて世界中の人たちと気持ちが通じ合うことは、これからグローバルに生きていく若者や、子どもたちにとっては大事な学びになるというのが一つ。二つ目は観光のウイングを広げて、より広い世界へと繋がりたい。そのメッセージを込めました」

 全12会場の中に、四国・中国は一つもありません。02年に開催されたサッカーW杯日韓大会もそうでした。翻ってラグビーW杯日本大会、九州では大分の他、福岡、熊本でも開催されます。ラグビー熱が高い地域と言われればそれまでですが、四国出身の私には羨ましい限りです。記憶のレガシーを、ぜひ脳裏に刻んでもらいたいものです。

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