12月最初の日曜日(1日)、関東大学ラグビー対抗戦Aグループの最終節が東京・国立競技場で行われ、早稲田大学が明治大学を27対24で破り、7戦全勝で6年ぶり24度目の対抗戦優勝を果たしました。同大の対抗戦の全勝優勝は17年ぶり。これで両校の通算成績は早大の56勝42敗2分けとなりました。
大正12年(1923年)からスタートし、今年でちょうど100回目となる早大対明大の「早明戦」は、伝統の一戦らしく、最後まで息をもつかせぬ好ゲームとなりました。
ハイライトは後半ロスタイム。掲示された4分が過ぎ、ラストワンプレーの場面。27対24と早大のリードながら、明大が敵陣深くに攻め込み、インゴール目前まで迫ります。明大がボールを左に展開し大外で待つウイング海老澤琥珀選手に。
インゴール左隅に駆け込もうと加速する海老澤選手に早大1年生スタンドオフの服部亮太選手がタックル。勢いを止めたところで同じ1年生のウイング田中健想選手が加勢し、タッチラインの外に押し出しました。ここでホイッスル。早大執念のディフェンスが粘る明大を振り切りました。
早大の応援席が沸いたのは後半21分、17対17の場面です。フルバック矢崎由高選手がタックルを受けながらも前進し、インゴール左中間に飛び込みました。日本代表のメンバーとしてテストマッチでもまれた経験が生きました。センター野中健吾選手がコンバージョンキックを決め、24対17。34分には野中選手のPGで、リードをこの日最大の10点に広げました。
しかし明大に諦めません。38分、ラインアウトモールから強力フォワードを中心にインゴールに迫ると、最後は途中出場のナンバーエイト藤井達哉選手がねじ込みました。センター平翔太選手がコンバージョンキックを決め、3点差に詰め寄ったものの、反撃もここまででした。
早大の大田尾竜彦監督は試合後、「最後はディフェンスだと思った。(選手たちが)ディフェンスをよく頑張ってくれた」と選手を称えました。
昨季は大学選手権準々決勝で、京都産業大学に28対65の大敗。ディフェンスの脆さが浮き彫りになりました。
対抗戦開幕前、佐藤健次主将は今年のチームの強みについて、こう語っていました。
「ディフェンスは去年に比べて良くなった。練習でディフェンスに充てる時間が増えましたし、全員の守備に対する意識が上がっていると思います」
主将が口にした「意識の変化」は、今季の数字にはっきりと表れています。対抗戦7試合で計57失点、被トライ8は昨季と比較するといずれも3分の1以下(23年度=計179失点、被トライ26)。昨季1試合もなかった完封勝ちと被トライゼロは、前者が2試合、後者が4試合もありました。
再び佐藤主将。
「これまでの“点を取られた分、取り返す”から、“点を取られない”というマインドに切り替わりました」
対抗戦トップ通過の早大は12月21日、全国大学選手権準々決勝で近畿大学対福岡工業大学との勝者と対戦します。
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