エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)率いる日本代表は、10月26日に行われるニュージーランド代表(オールブラックス)戦、その後の欧州遠征(10月30日~)を見据えての国内合宿を13日、宮崎などでスタートしました。ニュージーランド代表戦を皮切りにフランス代表戦、ウルグアイ代表戦、イングランド代表戦と強豪国との対戦が続く秋のシリーズは見逃せません。
10月10日に行われた合宿メンバーの発表会見に出席したエディーHCは、今回のオールブラックス戦を「最高のベンチマーク」と位置付けています。オールブラックス戦を前に「(今年のテストマッチ)7試合を若手で臨んできた。今回は日本代表の現状を知ることができるチャンス」と自信あり気に語りました。
現在、オールブラックスは世界ランキング3位。準優勝した2023年W杯フランス大会後に発足したスコット・ロバートソンHC体制は、順風満帆とは言えません。
8月から9月にかけて行われた南半球4カ国(南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン)による「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」(TRC)は2位。南アフリカには2度も敗れ、3勝3敗に終わりました。
【ニュージーランド代表の2024年TRC成績】
8月10日 アルゼンチン ●30対38
8月17日 アルゼンチン 〇42対10
8月31日 南アフリカ ●27対31
9月7日 南アフリカ ●12対18
9月21日 オーストラリア 〇31対28
9月28日 オーストラリア 〇33対13
10日の記者会見で、勝てる確率について聞かれたエディーHCは「掛け率のようなものを示す立場にはない。我々がコントロールできるのはしっかり準備をすることだけ」と断った上で、こう語りました。
「我々は最初からファイトし続け、アタックし続けることが大事。ニュージーランドに先制されると、そこから突き放されてしまう。60分まで接戦に持ち込めれば、その後はどうなるかわからない」
オーストラリア人のエディーHCは、オールブラックスについて、特別な思い入れがあります。
「テリブル!」
そう吐き捨てたのは、初の日本代表HC就任が決まって間もない2011年12月のことです。
2011年W杯ニュージーランド大会、1次リーグのオールブラックス戦でジョン・カーワンHC(当時)が指揮を執る日本代表は、主力を温存して大敗(7対83)しました。
そうした腰の引けた戦い方が、エディーHCは気に入らなかったようです。
「W杯は4年に1度しかありません。毎試合勝ちたいという強い思いがなければ戦い抜けません。残念ながらカーワンHCは、大会が始まる前に“目標は2勝です”と言った。これは最初から“2試合負けますよ”と言っているようなもの。日本が弱い国ならば、なおさら“どの試合も勝つ”という強い意志と具体的な目標がなければいけません」
この指揮官なら代表は変わるぞ。そう確信したのを、つい昨日のことのように覚えています。
話を26日のオールブラックス戦に戻しましょう。エディーHCは「60分」すなわち、後半20分まで接戦を演じることで、選手たちに自信を掴んでもらいたい、と考えているようです。
仮にうまく事が運んだとして、残り20分でオールブラックスをうっちゃるのは容易ではありません。60分以降の戦い方は、日本のとって大きな課題だからです。
9月21日のフィジー戦では後半20分までは10対20と、まだ逆転のチャンスが残されていました。だが27分からの10分間で3トライを奪われ、17対41と完敗を喫しました。
先の会見で、エディーHCは、こうも語りました。
「最後の20分間も高いフィジカリティを見せ続け、メンタル面で集中力を途切らさせず踏ん張り続けられるか。そこが我々の課題であり、取り組んでいかねばならないこと」
相手は、腐ってもタイならぬオールブラックスです。善戦すれば、チームにとっては大きな自信になります。日産スタジアムをドキドキとワクワクで満たしてもらいたいものです。
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