
リーグワンのディビジョン1は、3月1、2日に後半戦がスタートしました。今回はリコーブラックラムズ東京で抜群の存在感を放つスクラムハーフのTJ・ペレナラ選手に焦点を当ててみました。
ニュージーランド代表(オールブラックス)89キャップは、やはりダテではありません。第9節(2月22日)の東芝ブレイブルーパス東京戦は、文字通り「ペレナラ劇場」となりました。ブラックラムズがあげた7つのトライのうち、6つに関与しました。
まず前半21分、右サイドへの飛ばしパスでウイングのメイン平選手のトライを演出しました。35分には巧みなオフロードパスで、ロックのジョシュ・グッドヒュー選手がトライエリア(インゴール)右隅に飛び込みました。前半終了間際には、左サイドへのキックパスでフランカー松橋周平選手のトライを呼び込みました。
後半7分にはフォワードがスクラムを押し込むと、自らが仕掛けてトライエリア(インゴール)中央にグラウンディング。その後も2つのトライをアシスト。試合は44対45で敗れたものの、ペレナラ選手の活躍により、ブラックラムズは昨季王者をノーサイドの瞬間まで苦しめました。
ここでペレナラ選手の経歴を簡単に紹介しましょう。ニュージーランドの首都ウェリントン近郊ポリルア出身の33歳。身長184センチ、体重90キロの万能型スクラムハーフです。W杯には2度(15年イングランド大会、19年日本大会)出場しています。
日本では2チーム目。2021シーズンにNTTドコモレッドハリケーンズ(現・D2のレッドハリケーンズ大阪)で1シーズンだけプレーしましたが、そのインパクトは絶大でした。レッドハリケーンズをトップリーグベスト8に導きました。
4シーズンぶりに日本に復帰した今季も、その存在感は絶大です。第10節終了時点で、全試合に出場。第8節を除き9試合でフル出場を果たしています。運動量の多いスクラムハーフというポジション(第5節のみスタンドオフでフル出場)で、この数字は見事です。
そのタフネスぶりをタンバイ・マットソンヘッドコーチ(HC)は第9節後の記者会見で、こう称えました。
<TJ(ペレナラ)は昔ながらのハーフバックです。めちゃくちゃ大きいエンジンを搭載しています。そして負けず嫌い。交替させたらずっと文句を言われるのではないかと思います(笑)>(「リーグワン公式HP」2025年2月24日配信)
これを受けて本人はこう述べています。
<僕は毎週、80分間プレーできるコンディションをキープするプライドをもっています。やっぱり9番としてしっかりプレーすることが大事だと思いますし、ラグビーをすることもすごく好きです。できるだけ長く出られるならばうれしいです>(同前)
積んでいるエンジンのサイズはもちろん、その性能も折り紙付きです。チームメイトに話を聞きました。
「フォワードからすると、“ここでボールが欲しいな”というところで必ず放ってくれる。それにパスが速い。だから相手に当たる前、こちらが余裕を持てるんです」(プロップ大山祥平選手)
「シンプルに能力値が高い。フットボーラーとして、いろいろなことができるので、選択肢がすごく多い」(スタンドオフ中楠一期選手)
「プレーに関しては、僕がとやかく言わなくても、たぶん誰もがすごい、一流と言う。1人のリーダーとしてのすごさ、器の大きさを感じます。ミーティング中、自分たちのマインドセットをどう持っていくべきかを明確に示してくれる。TJの加入によって、もともと良かったチームのリーダーグループは、さらに質を上げている。あまり多くは喋りませんが、発言が的確。自分たちが落ちている時も彼の一言で雰囲気が一変する。言葉にすごく重みがあるんです」(フッカー大内真選手)
開幕5試合で1勝4敗と出遅れたブラックラムズですが、ここにきて勝ち点が伸び始め、第10節終了時点で9位。今季のプレーオフは上位6チームまでが進出できます。現在の6位コベルコ神戸スティーラーズとの勝ち点差は8。まだまだ巻き返しは可能です。
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