
リーグワンのディビジョン1(D1)は第15節を終了しました。3節を残し、既に4チームがプレーオフ出場を決め、残り2つの椅子を5位から11位までの7チームが争っています。今回は現在9位、初のプレーオフ進出を狙う三菱重工相模原ダイナボアーズにスポットを当てます。
グレン・ディレーニーヘッドコーチ(HC)体制となって3季目のダイナボアーズ。身上とするハードワークを武器に、プレーオフ争いに食らいついています。
D1昇格1季目は10位で入れ替え戦に回り、2季目は入れ替え戦を回避する9位。一歩ずつ前進し、今季はコベルコ神戸スティーラーズ、東京サントリーサンゴアリアス、横浜キヤノンイーグルス相手に公式戦で初勝利を挙げるなど、既に昨季と同数の勝ち星(6)を記録しています。
スポーツ中継局J SPORTSラグビーサイト(データ提供・Opta)のチームスタッツランキング(トライ、ボールキャリー、ラインブレイク、ディフェンス突破数、ゲインメーター、オフロードパス)を見てみましょう。残念ながら全6項目で下位に甘んじています。そのうちトライとオフロードパスはリーグワースト。総得点はリーグ11番目、失点数は下から3番目、反則数は、これまたリーグワーストと惨憺たるものです。それでいながらプレーオフ争いに食らいついているのですから、スタッツには表れない何かがあると見ていいでしょう。
4月12日、長崎・ベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場で行われた第15節は、プレーオフ争いを演じている7位(試合前時点)のイーグルスと対戦しました。
ダイナボアーズは開始早々、イーグルスにいきなり先制トライを許しましたが、10分にウイングのジョアナ・ペコ選手がトライをあげ、センターのマット・ヴァエガ選手がコンバージョンキックを決めて追いつきます。12分には1トライ1ゴールで7点のリードを奪うと17分、敵陣右サイドで粘り強くボールに絡みターンオーバーに成功します。そこから左に展開し、最後はウイングのタウモハパイホネティ選手がトライエリア(インゴール)左に飛び込みました。
このような見事な攻撃で一時は21対7とリードを広げましたが、イーグルスの反撃に遭い、21対21の同点で折り返します。
ダイナボアーズは後半11分、ラインアウトモールをイーグルスに一度は止められたものの、しつこく押し続け、フッカーの李承爀選手がトライエリア右に雪崩れ込みました。
その後も得点を加え、38対21。残り約10分、1トライ1ゴールを返され、33分にはイエローカードで1人少ない状況に追い込まれたものの、粘り強いディフェンスで、10点差で逃げ切りました。
試合後の会見で、キャプテンでスクラムハーフの岩村昂太選手は、こう語りました。
「長崎という素晴らしい地で、リーグワンで初めてイーグルスに勝利することができ、すごくうれしく思います。試合中もフィフティ・フィフティでどうなるか分からない数分間があったのですが、そういった中でも選手一人ひとりが自分の役割をしっかりと遂行することで、流れをもう1回こちらに引き寄せることができました。そういったところは今季を通し、すごく成長していると実感できた試合でした」
長崎は母体企業の三菱重工発祥の地。選手たちは、いつも以上に気合いが入っていたようです。
さて、残り2つの椅子を巡っては、5位スティーラーズが勝ち点41で、6位以下に勝ち点差10以上をつけ、頭ひとつ抜けています。実質的には残り1つを6位サンゴリアス(同31)、7位イーグルス(同30)、8位リコーブラックラムズ東京(同27)、9位ダイナボアーズ(同26)、10位トヨタヴェルブリッツ(同20)、11位三重ホンダヒート(同18)の6チームが争っている状況です。
「目の前の試合に集中し、自分たちらしいラグビーを見せることが大事」とディレーニーHC。今季のスローガンは「DYNA IMPCT」(ダイナインパクト)。D1昇格3季目、リーグワンに大きなインパクトを与えてくれそうです。
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