
エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は就任以来、若手の育成を重要課題に掲げています。指揮官肝入りのプロジェクト「JAPAN TALENT SQUADプログラム」(JTSプログラム)も2期目に突入、招集人数も昨年の15人から50人に拡大するなどバージョンアップを図っています。
19歳から22歳をメインターゲットにスタートしたJTSプログラムについて、エディーHCは「ジャパンで最も大事なプロジェクト」と位置付け、こう語気を強めます。
「今のワールドラグビーのトップ4のチームは若手の育成に対し、すごく力を入れたことによって、強化が加速した。ジャパンもいち早く強化していくためには、若手の育成がすごく重要です」
このプログラムはジャパンへの登竜門にもなっています。1期生からはウイング/フルバック矢崎由高選手(早稲田大学2年)が代表入りし、これまで5キャップを記録しました。
指揮官は2027年W杯オーストラリア大会を見据え、「今の(JTSプログラムの)スコッドから1、2人がそのままジャパンに入れるようなシチュエーションをつくれれば、それだけで代表の層が厚くなる」と抱負を口にしています。
報道陣に「具体的にはどんな選手をイメージしている?」と聞かれると、率直にこう答えました。
「フォワードは成熟するのに時間がかかります。今回はバックスにチャンスがある。何人かいいスクラムハーフがいるし、10番、12番、ウイングにポテンシャルの高い選手が揃っている」
昨年のJTSプログラムでは、若い選手たちに「イイヨ」「ジョウズ」と声を掛けるなど、エディーHCのソフトな対応が話題となりました。というのも、これまでエディー流はスパルタを基調としていたからです。さて、今年はどうだったのでしょう。
「始めから最後までパンパンに練習が入っているので、気を緩める隙間がない。常に緊張感を持って練習に取り組めています」(天理大3年のスタンドオフ上ノ坊駿介選手)
「エディーさんがタフというのは噂で聞いていたので、JTSに選ばれた時にちょっと覚悟していたんですけど、噂以上だったのはびっくりしました。どれだけ貪欲にやっても、結果につながっていなければ、もう1回、やり直しをさせられる。“これが大学とナショナルレベルの違いなんだ”と思いました」(明治大2年のプロップ山口匠選手)
山口選手によれば、13日の午前中には練習を中断する場面もあったようです。
再びエディーHCです。
「日本の高校生のレベルは高いが、その次の4年間における育成が不足している。今、日本が若手に目を向けなければ、どんどんそのタレント性が失われていってしまう。ウェールズを見てください。元々トップ4のチームだったのが今、14連敗(テストマッチ)している。大きな理由としてはアカデミーが地域ごとに行われていて、それぞれの地域での予算が足りなくなり、大きくカットされたことがあげられます。その結果、若いタレントがトップに上がってこれなくなってしまった」
指揮官が“悪い見本”にあげたウェールズ代表(レッドドラゴンズ)は、2019年8月19日時点では世界ランキング1位でした。そこから5年半後の今(25年2月18日時点)はチーム史上最低の12位です。
ウェールズの惨状が、エディーHCが指摘するように、「未来への投資を怠った」せいだとすれば、その轍を踏んではいけません。その意味では、ウェールズを反面教師としてすべきかもしれません。
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