
ラグビー日本代表(ジャパン)のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は現在のジャパンの課題として「10番」を挙げています。2027年W杯に向け、熾烈なポジション争いが続きます。
昨年のテストマッチ計11試合で背番号「10」を付けた選手は5人。李承信選手(コベルコ神戸スティーラーズ)、松田力也選手(トヨタヴェルブリッツ)、立川理道選手(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、松永拓朗選手(東芝ブレイブルーパス東京)、ニコラス・マクカラン選手(トヨタヴェルブリッツ)――。
この5人のうち今季リーグワンで「10」を背負ったのは李選手、松田選手、松永選手の3人。李選手は12番(センター)、松永選手は15番(フルバック)での起用がメインでした。また松田選手は故障により戦線を2月から離脱しています。
エディーHCのコメント。
「ご存知のように、リーグワンでは李承信が10番でプレーしていませんが、彼は日本代表の10番としてテストマッチで活躍できる優れたポテンシャルを持っている。そのため彼を10番で試すことを継続しますが、ここは依然として私たちの課題です」
今回の宮崎合宿に招集されたスタンドオフの選手は李選手のほか、松永選手、サム・グリーン選手(静岡ブルーレヴズ)、中楠一期(なかくす・いちご)選手(リコーブラックラムズ東京)の4人。
その中で個人的に注目しているのがキャップ数こそゼロながら、昨年秋の代表合宿にも招集された中楠選手です。
昨秋、エディーHCは彼をこう評していました。
「我々の求めているスタイルに合ったプレーができる。ラインに仕掛けながらのプレー、勇気を持ったアタック、エネルギッシュなプレーを見せられることを評価した」
本人も「ラインに仕掛けながらのプレー」には自信がある、と語っていました。
「特に手元のスキル。相手と接近しながらも余裕を持ってプレーできる」
慶應義塾大学から23年にブラックラムズに入団した25歳。今季(24-25)は出場した14試合すべてで司令塔を務めました。ディフェンスも中楠選手の強みのひとつです。
目を見張ったのは昨年12月28日、東京・秩父宮ラグビー場で行われた第2節の東京サントリーサンゴリアス戦でのプレーです。ブラックラムズが33対32とリードした時点で、電光掲示板の時計は80分を回っていました。ボールを持ったサンゴリアスのフルバック河瀬諒介選手がトライエリア(インゴール)左隅目がけて突進します。追いかける中楠選手はしがみ付くようにタックル、体勢を崩されながらも河瀬選手はトライエリアに飛び込みました。
TMO(ビデオ判定)の結果、グラウンディングの直前に河瀬選手の左足がわずかにタッチラインを割っていたことが判明し、トライは認められませんでした。この瞬間、ノーサイドの笛が鳴り、ブラックラムズが1点差で逃げ切りました。
試合から4日後、スポーツ放送局「J SPORTS」のラグビー用YouTube公式チャンネルでは<中楠の1ミリ>として、このファインプレーをショート動画で紹介していました。
「彼の強みの一つは、いいディフェンダーであること。すごく勇敢でディフェンスにコミットしてくれています。10番はアタッカーに狙われるポジションで、重いプレーヤーたちが突っ込んでくる。その中でしっかりと勇敢なディフェンスを見せてくれている」とはブラックラムズのタンバイ・マットソンHC。ジャパンの10番争いに名乗りをあげてもらいたい有望株です。
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