4節を消化したトップリーグ(TL)はトヨタ自動車ヴェルブリッツが開幕4連勝と好スタートを切りました。好発進の原動力となっているのが2年目のウイング髙橋汰地選手です。3試合で3トライをあげ、第1節から2試合連続でマン・オブ・ザ・マッチに選出されました。
3月9日、オンライン会見に出席した髙橋選手は“ポスト福岡”に名乗りをあげました。
「日本代表はラグビーをやっている人にとって、誰もが夢や目標にしているステージ。自分もそれは意識し、毎試合プレーしています。福岡堅樹さん(パナソニックワイルドナイツ)が抜けた穴はすごく大きなものになる。その位置に自分が割って入るぞ、という思いでやっています。福岡さんはスピードだけでなく、ハイボールに強い。ディフェンスでも相手を(タックルで)仕留めているイメージがあります。“福岡2世”という立場に入るためには、細かいスキル、ディフェンスとハイボールキャッチのスキルが必要だと思っています。そこは日々、努力して積み重ねていきたい」
プレシーズンから取り組んできたというハイボールキャッチが、ここまでの好調ぶりを支えています。
「全体練習が終わった後にスクラムハーフの人たちと一緒にハイボールの個人練習をしてきました。1人1人蹴り方、ボールの回転が違う。ボールをよく見て、どんな回転がかかっているか、落下点をきちんと判断し、(落下点の)手前から斜めに(跳び)キャッチすることを意識しています」
この個人練習が実を結んだのが2月20日、愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で行われた第1節の東芝ブレイブルーパス戦です。27対21と6点差まで迫られた後半18分、髙橋選手はスタンドオフのライオネル・クロニエ選手が右サイドに蹴り上げたキックオフボールを相手と競り合いながらキャッチしました。その後、髙橋選手は大外でパスを受けるとインゴール右隅に飛び込みました。クロニエ選手のコンバージョンキックも決まり、34対21。勝利を大きく呼び込むノーホイッスルトライでした。
身長180センチ、体重91キロの髙橋選手は神戸製鋼黄金期にウイングとして活躍した晃仁さんを父に持つサラブレッドです。持ち前のスピードに加え、当たり負けしないパワフルなランプレーに定評があります。明治大4年時にはウイングとして、全国大学選手権決勝でトライを奪うなど22年ぶりの大学日本一に貢献しました。昨春、トヨタ自動車に入団。リーグ戦6試合中5試合に出場し、2トライをあげるなど、即戦力として活躍しました。
今季さらなる成長を見せている髙橋選手について、トヨタ自動車のサイモン・クロンヘッドコーチは「インパクトの強いプレーヤーになっている」と目を細めています。
2年目ながら、今季は特例で新人賞の資格を有しています。昨季が新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、第6節で中止となってしまったため、2年目の選手にまで対象の幅が広がったのです。
2003年にスタートしたTLで、これまで新人賞に輝いた選手は17人(13-14シーズンは2人選出)。歴代の受賞者を見ると姫野和樹選手(トヨタ自動車)、リーチ・マイケル選手(東芝)、稲垣啓太選手(パナソニック)らジャパンの中核を担うメンバーがズラリと名を連ねています。17人中ジャパンのキャップ保持者は13人。ジャパンへの登竜門と言えるでしょう。
現在、トヨタ自動車は新人賞を2シーズン連続で受賞(姫野選手、岡田優輝選手)しています。「姫野選手さんは新人王を3シーズン連続でとることにこだわりがあり、“トヨタが新人王をとらなきゃアカン”と常に言っていたので、意識しています」と髙橋選手。新人賞レースのライバルとしては、ここまで3トライをあげているパナソニック2年目のウイング竹山晃暉選手、同期のチームメイト、ロック秋山大地選手、プロップ淺岡俊亮選手たちがあげられます。
「違うチームの同世代、新人王を狙える位置の選手と比べるのもそうですが、一番手強いのは秋山と淺岡。そういう選手が身近にいるからこそ切磋琢磨できますし、お互いプラスになっている」
髙橋選手はこう語り、続けます。
「ウイングはトライをとってナンボ。やるからにはトライ数、トライ王も意識しています。今、トライをとれているのはボールをもらって走るだけというシチュエーションしかない。もっと自分を生かしたトライを増やしていきたいなと思います」
その意気や良し! “ポスト福岡”としての期待がふくらみます。
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