二宮清純
二宮清純コラム ノーサイドラウンジCOLUMN
2020年5月7日(木)更新

早大新主将・丸尾崇真の議
「僕は僕らしくいきたい!」

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、この春予定されていた関東と関西の大学春季大会が中止になりました。大会のみならずチームの全体練習も制限される中、学生たちはどのように苦難の時期を過ごしているのでしょう。昨年度、全国大学選手権を11大会ぶりに制し、連覇を狙う早稲田大学はナンバーエイト丸尾崇真選手が主将に就任しました。1年時から試合に出ている丸尾選手は、「背中でチームを引っ張る」と決意を新たにしました。

少人数グループ

――新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現在は活動を自粛しています。
丸尾崇真:はい。4月1日から全体練習を休止し、各自による個人練習に切り替えています。寮と併設しているグラウンドとウエイトルームを使用することはできません。僕はウエイトルームから駐車場に器具を出し、外で筋力トレーニングを行うようにしています。あとは駐車場で軽く身体を動かすか、外でランニングをする程度です。チーム練習などの本格的な活動再開は5月10日からの予定(※4月29日取材時点)ですが、休止の期間は延びるのではないかと思っています。

――3月30日には関東大学春季大会の中止が決まりました。
丸尾:試合ができなかったり、そのためのトレーニングがチームで行えないことはマイナスかもしれません。しかし、全体練習はできなくても個人練習はできる。今年は例年と比べると個人にフォーカスする時間が増えるので、この機会を個々の成長に繋げることは十分に可能だと思っています。

――部員が揃ってのミーティングを行うことも難しい状況です。そんな中、キャプテンとしてはどのようなチームづくりを?
丸尾:新チームが始動してから新たな試みとして基本的に6人で構成する少人数のグループをつくりました。ポジションはフォワードとバックス3人ずつ。例えばプロップ3人、センター3人の組み合わせで、学年はバラバラな構成にしています。各グループが週1回のペースでオンラインミーティングをやっています。

――スモールグループをつくった理由は?
丸尾:100人を超える部員を自分ひとりで見るのは難しい。全員の意識を変えるには行き届かない部分もあると思ったんです。少人数のグループをつくることで、各部員が自分の言葉で意見を言い合える機会ができるのではないか、と。それを部の副将や委員、コーチと話し合い、現在のかたちにしました。

――実際に実施してみての手応えは?
丸尾:自分が思ったことを同じポジションの人と共有できることは大きい。“コイツがここまでやっているのか”と競争心を煽ることに繋がりますし、目標に向かって本気で向き合える一体感もつくれていると感じています。また違うポジションからの意見を聞くことができるのも良かった。どうやったら、その選手が目標を達成できるかをグループで考えられる。自己満足や自己完結で終わらないという点でも良い試みだと思っています。

――グループミーティングでは、試合動画を観て感想を話し合う機会も設けているそうですね。
丸尾:各グループが1週間にトップクラスの試合を2試合、もうひとつはグループ内の1人が出ている試合の計3試合を観ることにしています。レビューに関してはトップクラスの1試合と、学生の1試合が対象です。トップクラスの試合は戦術面など試合全体を見ることを課題にしています。それに加え、例えば僕だったらバックロー(フランカー、ナンバーエイト)の視点で意見を出します。

――個人のレビューに関しては?
丸尾:対象となる選手が選んだ試合のプレーを、他の5人がチェックします。自分ひとりでは、目を背けたくなるポイントを見逃したり、良いところだけを抽出してしまう可能性があります。自分以外の視点が入ることで気付きが増え、個人の考え方の成長に繋がると思っています。

「BATTLE」

――昨年度、11季ぶりに大学選手権を制したチームからは、スクラムハーフの齋藤直人選手、スタンドオフの岸岡智樹選手、センターの中野将伍選手など1年時から主力だった選手たちが卒業しました。
丸尾:むしろ楽しみですね。圧倒的な力を持った先輩たちが抜けるので戦力ダウンと見られることは仕方がないことです。その一方で先輩たちの陰に隠れていた選手たちが成長できる利点もある。早稲田はエリート軍団ではありません。各カテゴリーの代表経験のない選手や大学からラグビーを始めた選手もいる。そうした叩き上げの選手たちが、例えば明治のロック箸本龍雅のようなエリートをなぎ倒す。それを想像しただけで僕はわくわくしてきます。

――昨年度は大学選手権決勝で明治大学に勝利し、選手権で優勝した時のみ歌える「荒ぶる」が新国立競技場に響きました。
丸尾:日本一は早稲田大学ラグビー部全員で掴んだものですが、優勝後に歌った「荒ぶる」に関しては、改めて4年生のものだなと実感しました。だから僕は涙が出なかった。自分たちの代でも勝たないと歌えないので、優勝後は次に向け、気持ちを引き締める思いの方が強かった。まず新チームでは当たり前のことを当たり前にこなし、目の前のひとつひとつの戦いに勝っていきたいと思っています。

――今年度のチームスローガンは『BATTLE』です。その意味は?
丸尾:はい。相手と戦い、仲間や自分とも戦う。局面局面で必ず戦いがあります。そこにプライドを持ち、必ず勝っていく。その先に自ずと日本一が見えてくるはずです。『BATTLE』という言葉には僕のカラーが表れており、とても気に入っています。

――ご自身への評価は?
丸尾:僕は言いたいことは口に出すタイプです。昔から正しいと思っていれば先輩にも意見をすることがありました。ただ高校時代までは何でもかんでも口に出し、自分自身をコントロールできていなかった面もある。それが大学に入ってから少しずつ変わってきたかな、と。頭は冷静でも、あえて熱い気持ちを見せたりすることもあります。場面に応じ、自分をコントロールできるようになりました。周りから見れば、まだ、ただ熱くなっているだけのように見えるかもしれませんが……。

――今年度の目標は?
丸尾:チームとしては大学選手権で優勝し、日本一になることしか考えていません。個人の目標は日本一のナンバーエイトになること。まだまだ持ち味のスピードを生かしたアタックは伸ばせますし、ワークレート(仕事量)の部分は改善の余地があると思います。僕が圧倒的な日本一のナンバーエイトになれば、チームの目標にも近付けるはずですから。

――どんなキャプテンを目指しますか?
丸尾:理想のキャプテン像を追いかけるのではなく、僕は僕らしくいきたいと思っています。僕が100%の力を発揮することでチームに良い影響を与えられるはず。チームはひとりひとりが“うまくなりたい”という意識を持っている。だから僕からチームに向けたアクションを起こすというよりは自分自身にフォーカスし、チームに背中を見せることで引っ張っていきたいと思っています。

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