
クボタスピアーズ船橋・東京ベイが、埼玉パナソニックワイルドナイツを28対24で下し、リーグワン・ディビジョン1のプレーオフトーナメント決勝進出を決めました。昨季王者の東芝ブレイブルーパス東京と6月1日に東京・国立競技場で対戦します。
まずは5月25日に東京・秩父宮ラグビー場で行われた準決勝のワイルドナイツ戦を振り返りましょう。先制したのはスピアーズ。前半3分、自慢のフォワードが体を当てて前進し、最後はフッカーのマルコム・マークス選手がトライエリア(インゴール)右中間にボールをねじ込みました。PGで3点を返された後の10分、スクラムハーフ藤原忍選手がキックチャージからボールを奪取。約30メートルを駆け抜けました。前半は22対10とスピアーズがリード。
後半に入り、ワイルドナイツが反撃に出ます。11分にウイングの竹山晃暉選手、17分にはスタンドオフの山沢京平選手が個人技でトライを奪い、いずれも山沢選手がコンバージョンキックを決め、24対25と1点差に迫りました。
残り時間は20分以上。スピアーズは36分、敵陣に入ってすぐの相手ボールスクラムで、反則を誘います。これで得たPGをウイングのハラトア・ヴァイレア選手が決めて4点差に。終了間際にマイボールスクラムを獲得すると、またも相手の反則を誘いました。スピアーズは再度スクラムを選択。試合時間80分経過のホーンが鳴り響くと、スタンドオフのバーナード・フォーリー選手がボールをピッチの外に蹴り出し、ノーサイド。スピアーズが2季ぶりの決勝進出を決めました。
「フォワードが体を張ってくれた。特に前の3人が本当によくやってくれた」とは、キャプテンでナンバーエイトのファウルア・マキシ選手。センターの立川理道選手はバックスを代表して「セットプレーで圧倒してくれて優位に立てたのはフォワードのおかげ」と語っていました。
終盤のスクラムで優位に立てたのは、8人中6人が途中出場だったことも一因です。この試合、スピアーズはリザーブに6人のフォワードを入れていました。その意図をフラン・ルディケヘッドコーチ(HC)はこう説明しました。
「ワイルドナイツさんと戦う時はボールインプレーが増える。フォワード戦になると想定し、(リザーブのフォワードとバックスの人数を)6対2にした。特にセットプレー、接点を重視したことで、ああいう結果になった。途中出場のプロップ為房(慶次朗)選手、フッカー江良(颯)選手は若いが、ペナルティーを取ることでゲームをコントロールしてくれた。今日の試合はフォワードのおかげで勝つことができた」
この試合、スピアーズがマイボールスクラムの勝率100%だったのに対し、ワイルドナイツは86%(ラグビー専門サイト「ラグビーパス」参照)でした。
スピアーズが決勝で対戦するのは、ディフェンディング・チャンピオンのブレイブルーパス。レギュラーシーズンは15勝1敗2分けで1位通過。得点数、トライ数ともにリーグ最多です。司令塔リッチー・モウンガ選手を中心にしたアタックは見応えがあります。
フォワード陣もロックのワーナー・ディアンズ選手、フランカーのシャノン・フリゼル選手、ナンバーエイトのリーチマイケル選手と強力です。スピアーズはリーグ最少失点ですから、矛と盾の対決となります。ちなみに3月1日の試合は31対27でブレイブルーパスが勝利しています。
決勝を見据えて、立川選手はこう見通しを口にします。
「お互いの特徴はわかっている。ウチは今日やったようなディフェンスからしっかりリズムをつくっていく。プレーオフの戦い方というのは、この2戦(準々決勝、準決勝)で学びを得て、成長できていると思う。最後、自分たちのやりたいラグビーをやり切ることが大事かなと思っています」
J SPORTSのラグビーサイトによると、今季のスクラム勝率はスピアーズ95%(トップタイ)に対し、ブレイブルーパス93%(3位タイ)。プライドをかけたスクラム戦に注目です。
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