1月にスタートしたリーグワンは佳境を迎えています。ディビジョン1は第11節を終え、残すところ5試合。上位4チームまでが進出できるプレーオフトーナメント圏内には現時点で東京サントリーサンゴリアス、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、埼玉パナソニックワイルドナイツ、横浜キヤノンイーグルスが入っています。今回は第11節終了時点で、横浜Eと勝ち点(32)で並ぶ5位のトヨタヴェルブリッツに焦点を当てました。
昨季トップリーグで4強入りしたトヨタヴェルブリッツは、代表クラスを多数揃える強豪です。今季から昨季、スーパーラグビーのハイランダーズ(ニュージーランド)でプレーしたジャパンの主力、ナンバーエイト姫野和樹選手が復帰したことに加え、新たにニュージーランド代表41キャップを記録しているロックのパトリック・トゥイプロトゥ選手、南アフリカ代表58キャップを誇るフランカーのピーターステフ・デュトイ選手が加わりました。そのデュトイ選手とともに2019年W杯日本大会で南アフリカの優勝に貢献したフルバックのウィリー・ルルー選手らワールドクラスの選手を擁し、初代王座を虎視眈々と狙っています。
しかし、開幕2戦目にして黒星が付き、9戦目の埼玉WK戦と10戦目の横浜E戦に連敗するなど、ここまで7勝4敗とイマイチ波に乗り切れません。7勝のうち3勝が不戦勝というのも気になります。サイモン・クロンヘッドコーチ(HC)は3試合の中止(不戦勝)について、「悪い影響があった」とチームの連係強化にマイナスがあったことを認めています。
まずはここまでの戦いを振り返りましょう。
【トヨタヴェルブリッツ 第11節終了時点のリーグワン戦績(前半、後半)】
第1節 不戦勝 対静岡ブルーレヴズ
第2節 8対50(3対29、5対21) 対東京サントリーサンゴリアス
第3節 不戦勝 対NTTドコモレッドハリケーンズ大阪
第4節 33対23(17対13、16対10) 対東芝ブレイブルーパス東京
第5節 23対19(16対7、7対12) 対リコーブラックラムズ東京
第6節 不戦勝 対コベルコ神戸スティーラーズ
第7節 20対41(10対17、10対24) 対クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
第8節 31対22(28対5、3対17) 対NTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安
第9節 26対51(14対22、12対29) 対埼玉パナソニックワイルドナイツ
第10節 9対20(9対3、0対17) 対横浜キヤノンイーグルス
第11節 36対10(29対5、7対5) 対NECグリーンロケッツ東葛
後半のスコアに注目してみましょう。不戦勝以外の8試合中6試合で相手よりも下回っています。失点の時間帯も問題です。後半開始10分以内に必ず失点し、そのうち7試合が相手に先手を許しているのです。
この前後半でのパフォーマンスの違いは、今季のトヨタVの特徴です。クロンHCは「エキサイトし過ぎて、それぞれの役割を果たせていなかったことがあった」と反省を口にしていました。
象徴的だったのが、後半にひっくり返された横浜E戦です。スタンドオフのライオネル・クロニエ選手がPG3本を決め、9対3とリード。前半終了間際、敵陣でペナルティーを獲得したにも関わらずショットを選択しませんでした。ここでトライを狙った結果、インゴールまで迫るもスコアすることはできず、9対3のままハーフタイムを迎えました。この判断はどうだったのでしょう。
結論から言えば“凶”と出ました。後半は案の定、勢いを失い、2分にトライを喫するなど9対10と逆転されます。その後も自陣に押し込まれる展開が続き、最後まで流れを取り戻すことができず、9対20で敗れました。
ゲームキャプテンを務めた姫野選手が前半終了間際の選択について、「キャプテンとして『キック(PG)を蹴るべきだ』と強く主張しなかったことは反省点」と振り返るように、試合運びの拙さが浮き彫りになりました。
「今季は今まで一番うまくいっていないシーズン。キャプテン(共同主将)として責任を感じている」と姫野選手。さらにこう続けました。
「前半にできていたことを後半もやらないといけない。後半になるとメンバーが入れ替わり、入ってきた選手が“自分をアピールしたい”と独りよがりなプレーや雑なプレーをしてしまっている。チーム全体のプランニングを意識した上で、自分のプレーをやらないといけない」
泣いても笑っても残り5試合。後半の戦い方の修正が、プレーオフトーナメント進出のカギを握っています。
データが取得できませんでした
以下よりダウンロードください。
ご視聴いただくには、「J:COMパーソナルID」または「J:COM ID」にてJ:COMオンデマンドアプリにログインしていただく必要がございます。
※よりかんたんに登録・ご利用いただける「J:COMパーソナルID」でのログインをおすすめしております。