リーグワン1部は2月25日からリーグ戦の後半がスタートしました。10位リコーブラックラムズ東京(BR東京)は、ホーム東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場での第9節で12位の花園近鉄ライナーズ(花園L)に64対10と大勝しました。ボーナスポイント(3トライ差以上)を加えた勝ち点5を獲得し、9位に浮上。どうにか入れ替え戦圏内(10位以下)から脱出しました。
BR東京は理研光学(後のリコー)時代の1953年創部、日本選手権で2度の優勝(1972、73年度)を誇ります。リーグワン初年度の昨季、ベストフィフティーンにスタンドオフのアイザック・ルーカス選手が選ばれたものの、チーム全体の成績は振るわず、4勝12敗で勝ち点21の9位に終わりました。
巻き返しを狙う今季は、センターのハドレー・パークス選手(ウェールズ代表29キャップ)、ナンバーエイトのネイサン・ヒューズ選手(イングランド代表22キャップ)、プロップのパディー・ライアン選手(オーストラリア代表3キャップ)ら海外で実績がある選手を補強しました。
しかし開幕から2連敗。前半戦を終えて2勝6敗の勝ち点9で10位。ここから順位をひとつでも上げないと、ディビジョン2との入れ替え戦が待っています。
2月25日に行われた後半戦のスタートは、ディビジョン2から昇格してきた花園Lが相手でした。BR東京は開始早々に幸先良く7点を先制したものの、悪癖が顔を覗かせました。それは第8節終了時点でリーグワースト127個の反則です。
前節の東京サントリーサンゴリアス(東京SG)戦でも20個の反則を犯し、7対18で敗れていました。この日も26分までに7個の反則。その間にPG、1トライ1ゴールで7対10と逆転を許しました。
それでも相手にペースを掴ませなかったのは、FWの踏ん張りがあったから。31分、敵陣での相手ボールのスクラムで押し勝ち、ボールを奪取。ルーズボールを拾ったスクラムハーフ山本昌太選手が、そのままポスト左付近に飛び込みました。「FWのプレッシャーがすべて。FWのトライ」と山本選手。フルバックのマット・マッガーン選手がコンバージョンキックを決め、14対10で前半を終えました。
後半3分、ロック柳川大樹選手がトライをあげたのを皮切りに、一方的な展開に持ち込みます。7分と14分はラインアウトモールからのトライ。その後はFW・BKが一体となり、相手の守備網を打ち破っていきます。後半だけで8トライをあげ、守っては花園Lに後半、得点を与えませんでした。64対10でノーサイド。今季ホーム初勝利をあげました。
先述したように、このチームの悪癖は反則の多さです。それは選手たち自身も分かっています。試合後、ゲームキャプテンを務めた山本選手は、こう言いました。
「前半の途中、ペナルティーが続いた場面でレフリーとコミュニケーションを取って、自分たちの現状を知りました。“じゃあ、どうすればいいか”をチームでしっかり話し合い、それを15人が理解し、実行できたことがうまく後半につながったと思います」
前半の反則の多さについてはピーター・ヒューワットヘッドコーチ(HC)も「みんなが頑張ろうとし過ぎればし過ぎるほど、悪いサイクルに入ってしまっていました」と分析し、こう続けました。
「頑張った結果なのでエフォート(努力)の部分は疑いの余地はなかった。『システムを守り、自分の仲間を信じてディシプリン(規律)を保ち続けよう』と、ハーフタイムに話して修正しました」
そして、こんな舞台裏も。
「最近2週間ぐらいタフな状態が続いていたが、月曜日かなり厳しめのレビューをした。それを受けてハードワークをやり続けた結果、みんなが誇りを持てるようなパフォーマンスを見せられたんです」
問題の在りかを早めに把握し、修正する。それをハーフタイムの間にやり遂げたことが大勝につながりました。後半戦に期待の持てる後半の40分間でした。
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