ジャパンは12日、静岡・エコパスタジアムでサンウルブズと対戦し、32対17で勝利しました。601日ぶりの実戦ということもあり、前半は3対14と苦戦しましたが、後半は一方的な展開となりました。ハーフタイムでのミーティングが功を奏しました。
エコパスタジアムは2019年W杯日本大会でアイルランド代表に勝った縁起のいい場所です。ジャパンのスタメンはキャプテンでフランカーのリーチ・マイケル選手、司令塔のスタンドオフ田村優選手らW杯日本大会メンバーが15人中13人も名を連ねました。一方のサンウルブズは、この日のために再結成されました。
前半、主導権を握ったのはサンウルブズです。19分にキックでジャパン守備網の裏を突き、最後はスクラムハーフ荒井康植選手が先制トライ。サンウルブズは終了間際にもフルバック竹山晃暉選手がトライを奪い、前半を14対3とリードして終えました。
ジャパン、大丈夫か!? ハーフタイムで珍しい光景を目の当たりにしました。なんとフィフティーンがロッカールームに向かわず、タッチライン付近で円陣を組んだのです。しばらくするとリザーブの選手たちも加わり、その輪はさらに大きくなりました。“青空教室”ならぬ“青空ミーティング”です。
輪の中心にいたリーチ選手は「前半のことを気にせず、リスタートする。みんなで同じページを描いて後半に入ろう」と檄を飛ばしました。
これで目が覚めたのか、後半に入り、ジャパンの動きは見違えるように良くなりました。
まずは20分、ラインアウトモールからフッカー堀越康介選手がインゴール左にトライ。25分には、敵陣でスクラムハーフ齋藤直人選手のパスを受けたセンター中村亮土選手が対峙した外国籍選手2人の間に割って入り、インゴール中央付近に右手でねじ込みました。コンバージョンキックも決まり、17対14。このゲーム初めてのリードを奪いました。
ジャパンは28分にPGで追いつかれたものの、フランカーのテビタ・タタフ選手と堀越選手のこの日2本目のトライなどで32対17とリードを広げ、ノーサイド。
ラグビーにはよくあることですが、まるで前半と後半では別のチームのようでした。悪い流れを断ち切った“青空ミーティング”の狙いをリーチ選手はこう振り返ります。
「今年からの新しい試みです。(ハーフタイムの)15分間、ロッカーに戻ると各自がバラバラになることがある。チームとしてまずリフレッシュすることと、同じページを見ることを意識してハドル(円陣)を組みました」
続いて中村選手です。
「あの状況でロッカーに帰ったら、みんな焦って、“どうしよう”という感じになっていたと思う。あそこで一度リセットし、冷静になってロッカールームに帰ることで、さらにいい話し合いができました」
ジャパンは5月の大分・代表合宿から「コネクト」(つながり)を重視しています。それについてリーチ選手はこう語っています。
「いいチームをつくるためにコネクションがどれだけ早くできるかが重要です。ラグビーだけじゃなくパーソナルな部分も。ジャパンは日本ラグビーを代表するチーム。そこに覚悟を持って戦ってほしい。チームに対してもコネクションを持ってほしいと思っています」
同じページを描いて後半に入ろう――。ハーフタイムに発したリーチ選手のこの一言こそ24人全員の心の結びつき、すなわちコネクトの重要性を訴えるものでした。それにしても“青空ミーティング”とは、粋な演出です。
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