
リーグワン・ディビジョン1で首位を走る埼玉パナソニックワイルドナイツは、第7節終了時点で唯一無敗(6勝1分け)をキープしています。2022シーズン以来の王座奪還を目指すワイルドナイツにとって不安材料は後半の戦いぶりです。
今季のワイルドナイツの全スコアを、前半と後半に分けて見てみましょう。
【スコア(前半、後半)】
第1節 ○33対12(13対0、20対12) 対東京サントリーサンゴリアス
第2節 ○26対24(20対3、6対21) 対クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
第3節 ○39対16(17対9、22対7) 対リコーブラックラムズ東京
第4節 ○48対24(33対5、15対19) 対三重ホンダヒート
第5節 ○38対22(21対5、17対17) 対トヨタヴェルブリッツ
第6節 ○53対26(32対5、21対21) 対浦安D-Rocks
第7節 △28対28(16対7、12対21) 対東芝ブレイブルーパス東京
どの試合でも前半は相手を圧倒していますが、後半は苦戦が目立ちます。第2節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦、第4節の三重ホンダヒート戦、第7節の東芝ブレイブルーパス東京戦は得点より失点の方が上回っています。
中には前半で大量リードを奪い、故障リスクのある主力を温存し、後半を控え選手のテストに用いた試合もあるため、後半の弱さを指摘するのはどうか、という見方もあるでしょう。しかしスピアーズ戦の後半のスコア(6対21)が示すように、薄氷を踏む勝利もありました。
ワイルドナイツは昨季限りでフッカーの堀江翔太さん、スクラムハーフの内田啓介さんらベテランが引退し、スタンドオフの松田力也選手がトヨタヴェルブリッツに移籍しました。とりわけ堀江さんの不在が大きいように感じられます。
たとえばワイルドナイツがリーグワン初代王者に輝いた2022シーズン。堀江さんはプレーオフを含む全16試合に出場しましたが、先発は1試合のみでした。
フッカーは坂手淳史選手が先発し、堀江さんは野球でいうリリーフエースのように、後半から出場するのが常でした。
それでいながら、堀江さんは初代MVPとベストフィフティーンに輝きました。選手間投票による「対戦相手として、最も苦しめられた選手」に贈られるプレーヤー・オブ・ザ・シーズンに選ばれたのも堀江さんでした。
いみじくもブレイブルーパスのリーチマイケル選手は9日の試合後に「昨季は堀江選手のようなビッグメンバー、後半のインパクトプレーヤーの存在を感じました」と今季との違いを明かしました。
堀江さんがジャージーを脱いだ今季、坂手選手は7試合中6試合に先発し、3試合でフル出場を果たしています。引き分けに終わった第7節のブレイブルーパス戦では、後半40分までピッチに残りました。もし堀江さんがジャージーを着続けていたら、ロビー・ディーンズ監督は昨季同様の起用法を見せていたことでしょう。
もちろんフッカーのポジションには有望な若手もいます。早稲田大学からアーリーエントリーで加入した佐藤健次選手は昨年、日本代表候補合宿に参加するなど将来を期待されています。
9日のブレイブルーパス戦でデビューした佐藤選手は「ワイルドナイツにとって欠かせない選手となり、優勝へのひとつのピースになりたい。これからいろいろ堀江さんに聞いたりして、スタートでもリザーブでも結果を残す選手になりたい」と抱負を口にしました。今は世代交代の過渡期と言えるかもしれません。
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