パリ五輪で7人制ラグビー女子日本代表(サクラセブンズ)は、目標とするメダルにこそ届きませんでしたが、過去最高の9位でフィニッシュしました。
大会のレギュレーションは12カ国が3組に分かれ、総当たりのリーグ戦を行います。各組2位までと3位以下の上位2チームの計8チームが準々決勝に進めます。
サクラセブンズは初戦、前回の東京大会で破れているアメリカに7対36と黒星スタート。続く地元フランス戦は0対49と完敗でした。しかし東京で敗れたブラジルには39対12と雪辱を果たし、何とか面目を保ちました。
結局、1勝2敗でC組3位のサクラセブンズは、B組3位のアイルランド、A組3位の中国に勝ち点で並びながら得失点差(アイルランド+24、中国-19、サクラセブンズ-51)で及ばず、準々決勝に進めませんでした。
今回のサクラセブンズのコンセプトは「立つ、動く、戦う」。それが最も体現できていたのが、9位決定戦のブラジル戦でした。
開始1分、敵陣中央から左に展開すると、最後は梶木真凛選手がインゴール左隅に飛び込ました。幸先良く先制すると、3分に内海春菜子選手、6分には大谷芽生選手がトライをあげ19対0で前半を終えます。
その後もサクラセブンズは攻め手を緩めません。低く鋭いタックルで相手のアタックを阻止し、攻守にわたって圧倒しました。
後半も3トライ。終了間際に7点を返されたものの、38対7でノーサイドの笛を聞きました。
リオは10位、東京は12位。今回は9位。牛歩のごとき歩みですが、後退するよりはいいでしょう。
現場の声を聞きましょう。
<自分達のラグビーを出して最後勝って、そして3勝2敗と勝ち越して終われたことは、これまでの成長を感じると共に、これからサクラセブンズが更に成長できるきっかけになったと思います>(鈴木貴士ヘッドコーチ)
<メダル獲得という目標はまだ遠く、望んでいた結果を残すことができずとても悔しい気持ちで一杯です。チームは初日の敗戦で気持ちの切り替えが難しい中、最後までサクラセブンズのラグビーをやりきってくれました。この3年間のサクラセブンズの成長が、少しでも皆さまに伝わっていると嬉しいです>(平野優芽キャプテン)
皆一様に悔しさを噛み締めながらも、同時に成長の手応えも感じているようです。
2大会ぶりに五輪出場を果たしたチーム最年長36歳の中村知春選手は<清々しい気持ちの9位です>としたうえで、<自分たちの実力に加えたプラスαの力を発揮できるか、それがオリンピックという大舞台で勝ち上がるかどうかの差だと感じました>と述べています。
リオ大会のキャプテンで、パリを「個人としては桜の物語の最終章」と位置付けていたベテランの言葉だけにズシリと重みがあります。
では、この「プラスα」とは何を意味するのでしょう。言葉の解像度が高まれば、「大舞台で勝ち上がる」ための手がかりが見つかるかもしれません。そう考えると、4年という時間は長いようで短いものです。
※ヘッドコーチ、選手のコメントは、日本ラグビー協会2024年7月31日配信リリースに掲載されたものです。
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