サントリーサンゴリアスが開幕から6連勝と好調です。トップリーグ(TL)は、まだ最終節を残していますが、プレーオフにはレッドカンファレンス1位として臨むことが決まりました。快進撃の立役者は、ニュージーランド代表のスタンドオフ/フルバック、ボーデン・バレット選手です。現在、103得点をあげ、得点ランキングトップを走っています。
バレット選手と言えば、ニュージーランド代表88キャップを誇り、世界年間最優秀戦賞を2度獲得している名プレーヤーです。現在、29歳。2019年W杯日本大会では5試合に出場し、3トライをマークしました。今季、鳴り物入りでサントリーに入団、ここまでTL全6試合に出場し、得点を量産しています。キャプテンの中村亮土選手は「ボーディ(バレット選手)は10番(スタンドオフ)であれ、15番(フルバック)であれ、グラウンドにいるだけで頼もしく感じます」と語り、こう続けます。
「ゲームコントロールとパス、ラン、キック全てのスキルにおいてハイレベルで、チームを前に動かしてくれる。準備期間があまりない中でも、初戦からチームにフィットし、毎回ベストパフォーマンスを出してくれる選手。本当に世界のトップレベルだと感じます」
バレット選手はニュージーランド代表として昨年秋のザ・ラグビーチャンピオンシップに出場していたため、チームへの合流は12月中旬と遅れました。それでも際立つのはバレット選手の並外れた勝負勘です。
それを如実に発揮したのが、いずれも全勝対決となった第5節と第6節です。第5節はトヨタ自動車ヴェルブリッツと愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で対戦しました。
前半はオーストラリア代表フランカーのマイケル・フーパー選手、南アフリカ代表61キャップのフルバック、ウィリー・ルルー選手らワールドクラスの選手を擁するトヨタ自動車に押され、12対26とリードを許しました。後半28分に逆転したものの、終了間際に途中出場の岡田優輝選手のトライ、スタンドオフのライオネル・クロニエ選手にコンバージョンキックを決められ、36対36の同点に追いつかれました。
尻に火がついたサントリーは後半40分、敵陣でペナルティーを獲得すると、キャプテンの中村選手はショットを指示しました。バレット選手がキックティーの到着を待つ間に、スタジアムでは後半40分経過を知らせるホーンが鳴り響きました。
ゴールまでは約42メートル。風向きが安定せず、ここまでのキック成功率は50%。それでもここ一番で外さないのがスーパースターです。手慣れた仕草でボールをセットし、ゆっくりと助走。右足から放たれた楕円球はポスト右を直撃したものの、バレット選手の執念が乗り移ったのか、ボールはポストの内側で弾みました。「接戦の中でも落ち着いて自分のプロセスを信じて蹴られるように、普段から練習している。最後のキックも非常に落ち着いて蹴れた」。バレット選手の“サヨナラPG”でサントリーは開幕からの連勝を5に延ばしました。
その1週間後のクボタスピアーズ戦、今度はキックではなくランで魅了してくれました。
前半を23対7とリードしたサントリーでしたが、後半に入るとクボタの反撃に遭いました。12分にバレット選手がPGを決め、26対7とこの試合最大の19点差をつけたものの、後半29分には、フランカー、トゥパフィナウのトライで26対26と同点に。
東京・秩父宮ラグビー場のムードも、勢いに乗るクボタ側に味方しているようでした。中村選手は「クボタのサポーターもノリノリで少しアウェイ感を感じた」と言います。
流れを変えたのは、やはりバレット選手でした。38分、途中出場の田村煕選手からパスを受けると、スピードに乗ったままで右サイドを突破。相手のタックルを巧みにかわし、値千金のトライを奪いました。自らコンバージョンキックも決め、リードを7点に。結局、試合は33対26でノーサイド。接戦を制したのはまたしてもサントリーでした。
「こういった結果を出せているが、自分たちでいいテリトリーに入ってプレーしていかないと、勝利を呼び込むようなプレーはできない」
勝って兜の緒を締めよ、とばかりにどこまでも冷静なバレット選手です。日本で“オールブラックスの至宝”のプレーを見られるのも今季限り。感染対策をしっかり行い、Go To スタジアムです。
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