
女子15人制ラグビーの日本一を決める第11回全国女子ラグビーフットボール選手権大会決勝が2月2日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、東京山九フェニックスがPEARLSを13対5で破り、大会初の3連覇を達成しました。
試合当日は雪の予報も出るほどで、気温は5度という寒さでした。13時過ぎのキックオフ時点では冷たい雨がピッチを濡らしていました。客足が鈍ってもおかしくない悪条件の中、それでも1447人の観客が“女子日本一決定戦”を見守りました。ラグビー協会によれば、聖地・秩父宮での同大会単独開催は初(昨年は併催)、単独開催としては過去最多の観客数でした。
試合は前半12分、東京山九フェニックスがウイング奥野わか花選手のトライで先制しました。奥野選手は7人制ラグビー(セブンズ)日本代表として2度の五輪(東京、パリ)に出場しています。18分には、フルバック松田凛日選手が持ち味のパワフルな突破でトライエリア(インゴール)中央に飛び込み、10対0とリードを広げました。松田選手はセブンズ日本代表でパリ五輪、15人制代表では2022年W杯ニュージーランド大会に出場しました。
後半に入り、PEARLSも意地を見せます。10分、ナンバーエイト齊藤聖奈選手がトライエリア右にねじ込むと、メインスタンドの南側に陣取ったPEARLSファンが沸きました。
試合後、選手たちの声を聞きました。
「お客さんの歓声がよく聞こえた。“オーッ”とか“アァー”とか。少しでも“女子ラグビーって面白い”と思ってもらえたならうれしいです」(PEARLSの齊藤選手)
「私が所属する山九の社員の方も全国から230人ぐらいが来てくださった。こうやって応援されてプレーできることに幸せを感じています」(東京山九フェニックスの奥野選手)
「試合中に聞こえてくる歓声の量が増えてきた。これからどんどん盛り上がっていけたらいいなと思っています」(東京山九フェニックスの古田真菜選手)
日本協会の努力も見逃せません。準決勝(1月18、19日)は、リーグワンの公式戦との併催となりました。第1試合はスピアーズえどりくフィールド(えどりく)、第2試合は三重交通グループスポーツの杜鈴鹿サッカー・ラグビー場(鈴鹿)で実施しました。観客数は前者が800人、後者が830人。単独開催だった鈴鹿での昨年の観客数(第1試合263人、第2試合560人)を上大きく回りました。
これに関する選手たちの反応を紹介しましょう。
「私たち一選手が頑張るだけでは、どうしても(多くの人に)届かないものがある。(協会とリーグワンの)皆さんが目を向けていただくきっかけをつくっていただいたことに非常に感謝しています」(大会ベスト4の九州・ながと合同の中村知春選手)
「まずリーグワンの後に試合があることにすごくワクワクしました。実際会場に入ってもいつもの雰囲気とは違う感じがしました。残ってくれたお客さんも(私たちの試合を)観てくれた。この環境が純粋にうれしかった」(東京山九フェニックスの古田選手)
日本女子ラグビーの選手登録者は、昨年6月に日本協会が公表したリストによると5112人(23年度)。15年度(3569人)と比較すると、1.5倍近くまで増えています。
日本協会が設定する目標は25年度=6165人、28年度=7446人。そこに到達するには、レバレッジが欲しいところです。
そのチャンスがこの夏にやってきます。8月に開催される女子W杯イングランド大会で初のベスト8入りを目指すサクラフィフティーンは、7月に本大会で同組のスペイン代表とテストマッチを2試合(19日ミクニワールド北九州、26日秩父宮ラグビー場)行います。選手たちは大勢の観客が見守る中での試合を望んでいます。なお日本協会は、37年女子W杯の開催を目指しています。
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