
リーグワンのディビジョン1は2月23日で折り返し地点に入りました。今回はここまで全9試合に出場し、リーグ4位タイの7トライを挙げているクボタスピアーズ船橋・東京ベイのハラトア・ヴァイレア選手に注目してみました。
ヴァイレア選手はトンガ出身の26歳。日体大柏高、日体大を経て、2022年にスピアーズに加わりました。身長187センチ、体重105キロ。恵まれた体躯を生かしたパワフルなボールキャリーが魅力です。高校時代は、1月場所後に横綱に昇進した豊昇龍関のクラスメイト。ともに留学生ということもあり、今も親交が続いているそうです。
今季はウイング(9試合中8試合ウイングで出場)にほぼ固定されていますが、ユーティリティー性が彼の持ち味です。大学時代には、ナンバーエイト、スタンドオフ、ウイング、センター、そしてフルバックでもプレーしています。プレースキッカーとしての腕前もなかなかのものです。
ヴァイレア選手の採用担当者である前川泰慶ゼネラルマネジャー(GM)は、当時の印象をこう語っています。
「最初に見た時、“ラグビーがすごくうまい子やな”と思いました。練習では、遊びでドロップキックをポンと蹴ったり、バックフリップパスもしていた。往々にしてアイランダーの子はボールキャリーに特化した選手が多いのですが、あの子にはラグビースキルの高さを感じました」
今季はウイングとしての活躍が光ります。
第7節(2月8日)、敵地・ニッパツ三ツ沢球技場で行われた横浜キヤノンイーグルス戦では、ハットトリックを達成しました。
まず後半3分、フルバックのショーン・スティーブンソン選手のパスを右サイドで受けると、止めにきたスクラムハーフのファフ・デクラーク選手を吹っ飛ばし、トライエリア(インゴール)右隅に飛び込みました。20分には再びスティーブンソン選手のパスを受け、トライエリア右隅へ。そして25分、スタンドオフ押川敦治選手のグラバーキックに反応し、右サイドを駆け抜けました。
後半25分以降は強風に悩まされていた押川選手に代わってプレースキッカーも務め、2本のコンバージョンキックを決めました。
この日、スピアーズはヴァイレア選手が両軍最多の19得点をマークする活躍を見せ、30対22で勝利。ヴァイレア選手はプレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝きました。
勢いに乗るヴァイレア選手は、第9節(2月22日)の静岡ブルーレヴズ戦でも両軍最多の15得点を記録しました。
試合後の本人のコメントです。
「センターもいいけどウイングの方がボールタッチ、キャリーの回数も増える。僕の強みはキャリーとアタックです」
スピアーズのフラン・ルディケヘッドコーチ(HC)も全幅の信頼を寄せています。
「ここ数シーズンはセンターだったり、いろいろなポジションを任せてきたが、今季はウイング。彼は、それを自分のものにし、継続していいパフォーマンスを披露している」
再び前川GM。
「彼は入ってすぐ試合に出られるという自信があったと思うんですが、なかなか出られなかった。去年はリザーブが多かった。それで、このオフは自分を見つめ直したんでしょう。休みの日でも練習場に来てトレーニングをしていました」
最適な働き場所を得たヴァイレア選手の目標は「リーグ優勝と日本代表入り」。同級生の横綱昇進を励みに、着実に歩を進めています。
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