2季ぶりの王座奪還に燃えるクボタスピアーズ船橋・東京ベイが好調です。第5節終了時点で、3勝1分け1敗の5位に付けています。「ボムスコッド」と呼ばれるリザーブ選手がチームを支えています。
ボム(爆弾)とスコッド(選手団)。言葉を2つに分ければ「ボムスコッド」の意味が理解できます。2019年W杯日本大会で南アフリカ代表を優勝に導いたラシー・エラスムスさん(当時ヘッドコーチ=HC)がこの言葉をよく用います。
さて今季のスピアーズのスコアを、前半と後半に分けて見てみましょう。引き分けに終わった第4節の東京サントリーサンゴリアス戦以外は、全て後半は得点が失点を上回っています。
【スコア(前半、後半)】
第1節 ○30対27(10対21、20対6) 対トヨタヴェルブリッツ
第2節 ●24対26(3対20、21対6) 対埼玉パナソニックワイルドナイツ
第3節 ○32対27(15対12、17対15) 対三重ホンダヒート
第4節 △26対26(21対14、5対12) 対東京サントリーサンゴリアス
第5節 ○26対18(11対15、15対3) 対リコーブラックラムズ東京
1月18日、スピアーズえどりくフィールドで行われたリーグワン第5節、リコーブラックラムズ東京戦。フラン・ルディケHCは11対15とリードされた後半11分に6人もの選手(プロップの紙森陽太選手、オペティ・ヘル選手、フッカーのスカルク・エラスマス選手、ロックのタイラー・ポール選手、スクラムハーフの藤原忍選手、フルバックのショーン・スティーブンソン選手)をピッチに送りました。時間を30分近く残した時点で、交代枠8人中6人を使い切ったわけですから大胆な策と言っていいでしょう。
試合後、ルディケHCは、6枚替えの理由を「元々、プランとしてはあった。ブラックラムズがいいスタートを切っており、残り時間で我々がチャンスをつくれるようにインパクトプレーヤーを同時に出した」と説明しました。
スピアーズの「ボムスコッド」が威力を発揮したのは後半13分です。ラインアウトモールでインゴール右に迫り、ナンバーエイトのファウルア・マキシ選手がフィニッシュしました。
このトライで4点差を逆転すると、18分にはスティーブンソン選手の突破、藤原選手の素早いパス出しからチャンスをつくります。最後はセンターのリカス・プレトリアス選手のトライなどでリードを広げ、26対18で勝ち切りました。
さて選手たちは、この「ボムスコッド」を、どう考えているのでしょう。前キャプテンの立川理道選手は、こう話します。
「チームの層が厚くなっている証拠です。替わりに出た選手がいいパフォーマンスを披露することでチーム内の競争も激しくなる。(誰もが)簡単にポジションを掴めないという雰囲気になってきています。対戦相手からすれば後半、インパクトプレーヤーがたくさん出てくることは嫌だと思う」
プロップの海士広大選手によると、ルディケHCは「スローポイズン」という言葉がお気に入りのようです。スロー(ゆっくり)とポイズン(毒)。わかりやすいキーワードです。
「前半に毒を盛り、後半仕留めるという意味です。スタメンの選手は(80分の試合)時間を考えずに力を出し切る。後半から出る場合は、時間が短い分、最初から全力でいこうと考えています。(ボムスコッドの存在は)自分が対戦相手だったら嫌ですね」
「ボムスコッド」と「スローポイズン」。2つのキーワードがスピアーズを走らせます。
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