東京サントリーサンゴリアスは4月17日に行われたリーグワン第13節の静岡ブルーレヴズ戦に56対27と快勝し、プレーオフトーナメント進出一番乗りを果たしました。好調のチームを支えているのは、今季加入のダミアン・マッケンジー選手です。“Dマック効果”に迫りましょう。
ここまでの東京SGは不戦勝2を含む12勝1敗。総トライ数と総得点数はリーグトップです。不戦勝は21対0扱いで、3トライが計上されますが、実質のトライ数(65)、得点数(481)でもトップ。1試合平均5.9トライ、43.7得点とチームが標榜する「アグレッシブ・アタッキングラグビー」を存分に発揮しています。
その立役者としてニュージーランド代表40キャップを誇るマッケンジー選手の存在があげられます。不戦勝を除く全11試合中10試合に出場。フルバックとスタンドオフでプレーし、鋭いランと正確なキックで東京SGを牽引しています。6トライ、173得点をマークし、得点ランキングは単独トップです。
プレーオフ進出を決めた静岡BR戦での活躍は際立っていました。前半3分の先制PGを含む10本中9本のプレースキックを成功させ、両軍最多の21得点をあげました。
試合後、マッケンジー選手は残り3節に向け、「プレーオフで勝ち上がるには勢いが大事。ここでしっかり勢いをつけて、優勝を勝ち取りたい」と気を引き締めていました。
この日、マッケンジー選手が輝きを見せたのはランやキックの“足技”だけではありません。昨年12月の加入記者会見で「自分は速い展開でプレーすることを磨いてきた。その中のひとつがパス。速いパスを放らないといけない場面が多い。それは練習の中で常に磨いてきた」と述べていましたが、まさに「速いパス」「速い展開」のオンパレードでした。
まずは前半13分です。ラインアウトからのサインプレーで抜け出したマッケンジー選手。相手のタックルを受けながら、真横を走るスクラムハーフ流大選手にパスを送りました。流選手がすぐさまセンターのサム・ケレビ選手に繋ぐと、インゴール右に飛び込みました。
このプレーについて、流選手は自身のツイッターでプレー映像を引用し、<前かな?と試合中は思ったけど見返してみると全然オッケーだね>(2022年4月17日更新)と綴っていました。思わずスローフォワードを疑ってしまうほどギリギリのラインを突いたパスだったということでしょう。
マッケンジー選手の「速いパス」は以降も冴え渡ります。後半24分、フランカーのトム・サンダース選手のトライは、マッケンジー選手のフラットパスを受けてのものでした。さらには、トライに至るまでのケレビ選手、ナンバーエイトのテビタ・タタフ選手の突破もマッケンジー選手のパスが起点となっていました。ウイングの尾﨑晟也選手は「最初はDマック(マッケンジー)のパススピードや動きに合わせるのが難しかったが、ウチのラグビーにもフィットしてきた」と手応えを口にしました。
尾﨑選手のコメントが、チームの習熟度を物語っています。最初のうちはマッケンジー選手の「パススピードや動き」についていけなかったようですが、試合を重ねるごとに練度が増していきました。
マッケンジー選手はW杯出場こそありませんが、現役バリバリのニュージーランド代表です。ラン、パス、キックのスキルに長けており、ラグビー王国でも「速いパス」には定評があります。東京SGの選手たちは世界最高峰のプレーを「共有」することで、確実に自らのスキルを向上させています。“Dマック”のハイパフォーマンスは東京SGのみならず、日本ラグビー全体のレベルアップにも一役買っていると言えるでしょう。
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