二宮清純
二宮清純コラム ノーサイドラウンジCOLUMN
2020年2月20日(木)更新

フランスで躍動するために
SH齋藤直人の「切磋琢磨」

 スーパーラグビー(SR)に参戦しているサンウルブズの今季スコッド(2月19日現在)には3人の現役大学生が選ばれています(練習生は7人)。中でも早稲田大学4年の齋藤直人選手は2023年W杯フランス大会でジャパン入りを期待されている有望株の1人です。

和製デクラーク

 齋藤選手は18年、サンウルブズに練習生として参加しています。その年の日本代表第二次W杯トレーニングスコッドに選ばれた唯一の大学生でした。この1月の全国大学選手権では、キャプテンとして早大を11季ぶりの大学日本一に導きました。

「ディフェンスができる選手ですし、パスのテンポも良い。南アフリカ代表のファフ・デクラークのようになれるかもしれません」

 そう語るのは、早大の先輩で、同じスクラムハーフとして1991年イングランド大会、95年南アフリカ大会とW杯2大会に出場した堀越正巳さんです。

 デクラークとは、最高の褒め言葉です。まるで猟犬のような俊敏さと、向こう意気の強いプレーで大男たちを操り、南アフリカ代表の3度目の世界一に貢献した、あのヤンチャ坊主のような選手です。

 齋藤選手は開幕戦からSRのピッチに立ちました。2試合目の15日のチーフス戦ではスタメンを勝ち取りました。試合はニュージーランドの強豪に17対43で敗れたものの、75分のプレータイムを得ました。

 激しいプレッシャーをくぐり抜け、両チーム最多90本のパスを通しました。前半7分にはスタンドオフのガース・エイプリル選手のトライを演出しました。

 自己採点は100点満点中「30点」と辛かったものの、大久保直弥ヘッドコーチは初スタメンの大学生を高く評価しました。

「あのプレッシャーの中で直人はよくやったと思っています。ただコミュニケーションは彼の課題。スクラムハーフはBKとFWの連係の要のポジションです。コミュニケーションの部分はもっと改善できるんじゃないかな。だが、それを差し引いても素晴らしかった」

 チーフスのゲームキャプテンを務めたスクラムハーフのブラッド・ウェバー選手も、“敵ながらあっぱれ”という感想でした。

「今日が初めての先発だったということを私は知らなかった。判断、パスが良かった。非常に未来が明るい選手だと思います」

「もっと試合に出たい」

 齋藤選手はこの春から、トップリーグの強豪サントリーサンゴリアスの一員になります。サントリーにはジャパンのレギュラー流大選手、イングランド代表のサポートメンバー大越元気選手が同じポジションに名を連ねています。いくら有望株でも、最初からレギュラーの座が確約されているわけではありません。

 競合のメリットはあるのでしょうか。堀越さんの答えはイエスです。

「例えば日和佐篤(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)は2010年からトップリーグでプレーし、3人の世界的スクラムハーフとポジションを争ってきました。サントリー時代はオーストラリア代表139キャップのジョージ・グレーガン、南アフリカ代表76キャップのフーリー・デュプレア。神戸製鋼に移ってからはニュージーランド代表28キャップのアンドリュー・エリスです。サントリーではグレーガン、デュプレアの影響により、パスに磨きがかかりましたが、神戸製鋼に移ってからはディフェンスが格段に良くなった。あれはエリスに教わったからです」

 ワールドクラスの選手たちとの切磋琢磨が、日和佐選手のプレーの幅を広げたというのが、堀越さんの解釈です。

 齋藤選手に話を戻しましょう。チーフス戦後には、「もっともっと試合に出たい」と語っていました。次戦以降はケガから戻ってくる南アフリカ代表13キャップのルディー・ペイジ選手とのポジション争いが待っています。この原稿を書いている時点で第4節、レベルズ戦でのスタメン出場が決まりました。

 齋藤選手は語っています。「アタックのコントロールが課題ですが、ディフェンス、フィットネスで貢献する部分では張り合えると思う。まずは姿勢、態度でアピールしたい。ルディーがいるから試合に出られないというのはチーム、自分のためにもならない。ライバルとしてやっていきたい」

 4カ月間の武者修行を通じ、どれだけたくましくなるか。さらなる成長が楽しみな22歳です。

K.Ninomiya二宮清純
                                            
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