
リーグワンのディビジョン1は16日、第11節を終了しました。15日には首位の埼玉パナソニックワイルドナイツが4位の静岡ブルーレヴズに敗れ、無敗チームがなくなりました。第11節は9位(試合前時点=以下同)のリコーブラックラムズ東京が5位の横浜キヤノンイーグルス、11位の三菱重工相模原ダイナボアーズが7位の東京サントリーサンゴアスに勝利する“番狂わせ”が起きました。
16日にチーム史上初めて公式戦でサンゴリアスを破ったダイナボアーズのグレン・ディレーニーヘッドコーチ(HC)は今季の混戦ぶりについて、こんな感想を寄せました。
<このチームは上、このチームは下と思っていたところがひっくり返る試合が多くて、静岡ブルーレヴズが埼玉パナソニックワイルドナイツに勝ったり、リコーブラックラムズ東京も横浜キヤノンイーグルスに勝ったりとタイトなリーグになっています。面白い内容をみんなが見せてくれていると思うので、われわれはベストを尽くして今日のようにやれれば、どこにでも勝てるということを証明できたと思います>(「リーグワン公式HP」2025年3月17日配信)
その前日も“あわやアップセット!?”と思われる試合がありました。3位のクボタスピアーズ船橋・東京ベイが12位の浦安D-Rocksに33対22で逆転勝ちを収めたものの、後半4分までのスコアは0対22。最後はスピアーズの地力が勝ったものの、ヒヤリとさせられる展開でした。
試合後、ゲームキャプテンを務めたスピアーズのスタンドオフ、バーナード・フォーリー選手は「(D-Rocksには)ワイドからワイドにボールを動かしてトライされ、プレッシャーを掛けられました。それはこのリーグのレベルの高さを物語っている。本当に楽な試合はない、競争の激しいリーグ」と語っていました。
リーグワンがスタートして4季目。先に述べたように今季は接戦が目立ちます。敗戦チームにもボーナスポイント(勝ち点1)が与えられる7点差以内の試合を接戦と定義すると、ここまでの66戦中27戦がそれに該当します。“接戦率”は実に4割超えです。
なぜ、そうなっているのでしょう。主な理由は次の三つだと考えられます。第一に世界トップレベルの指導者が増えたことがあげられます。
東芝ブレイブルーパス東京のキャプテンでナンバーエイト、リーチマイケル選手は「(接戦が増えた大きな理由は)コーチングと分析だと思います。各チームに優れたコーチが揃っている。経験豊富なコーチにはノウハウもいっぱいある」と語っていました。
今季は12チーム中9チームを外国人指導者が率いています。そのうち4人に強豪国の指揮を執った経験(トヨタヴェルブリッツのスティーブ・ハンセンHC=ニュージーランド代表&ウェールズ代表、ワイルドナイツのロビー・ディーンズ監督とコベルコ神戸スティーラーズのデイブ・レニーHC=オーストラリア代表、三重ホンダヒートのキアラン・クローリーHC=イタリア代表)があります。
加えて言えば、ブレイブルーパスのトッド・ブラックアダーHC、スピアーズのフラン・ルディケHC、ダイナボアーズのディレーニーHC、ブラックラムズのタンバイ・マットソンHCもスーパーラグビーやプレミアシップでHCを務めました。
第二にトップリーグからリーグワンに移行した際のチーム数の減少があげられます。トップディビジョンのチーム数を従来の16から12へと変更したのは周知の通りです。その理由について、あるリーグ関係者は「根拠は均衡した試合が担保できる最大のチーム数」と説明していました。実際、その通りとなりました。
ここでリーグワン直近3シーズンの“接戦率”を比較してみましょう。
【リーグワン接戦率】
21-22シーズン=23.1%
22-23シーズン=25%
23-24シーズン=33.3%
第三に、プレーオフの出場枠が2つ増えたことで各チームが積極的な戦力補強を行ったことがあげられます。
昨季入れ替え戦に回ったブラックラムズは、ニュージーランド代表89キャップのスクラムハーフ、TJ・ペレナラ選手とオーストラリア代表15キャップのフランカー、リアム・ギル選手を、三重ホンダヒートは元日本代表のユーティリティバックス、レメキ・ロマノ・ラヴァ選手とスタンドオフの中尾隼太選手を獲得しました。昇格組のD-Rocksにも南アフリカ代表32キャップのナンバーエイト、ヤスパー・ヴィーセ選手、元日本代表ロックのヘル・ウヴェ選手と、フランカーのツイ・ヘンドリック選手が加わりました。
リーグ戦は残り7節。最後まで目が離せない試合が続きます。
データが取得できませんでした
以下よりダウンロードください。
ご視聴いただくには、「J:COMパーソナルID」または「J:COM ID」にてJ:COMオンデマンドアプリにログインしていただく必要がございます。
※よりかんたんに登録・ご利用いただける「J:COMパーソナルID」でのログインをおすすめしております。