
リーグワン・ディビジョン1のプレーオフトーナメントが5月17日に始まり、ベスト4が出揃いました。22−23シーズン王者のクボタスピアーズ船橋・東京ベイは(18日・大阪・東大阪市花園ラグビー場)、準々決勝で東京サントリーサンゴリアスを20対15で破り、初代王者の埼玉パナソニックワイルドナイツが待つ準決勝(25日、東京・秩父宮ラグビー場)へとコマを進めました。今回は、シーズン後半戦から好調を維持するスピアーズのウイング根塚洸雅選手にスポットを当てます。
5月18日のサンゴリアス戦、根塚選手が自慢の快足を飛ばしたのは、3対5と逆転を許した後半8分です。右サイドでパスを受けると、相手スタンドオフ森谷圭介選手のタックルを切り、ナンバーエイト箸本龍雅選手を弾き飛ばしてトライエリア(インゴール)右隅に飛び込みました。
このように今季の根塚選手は、突破力が光ります。その理由を聞くと、こんな答えが返ってきました。
「ウエイトの重量を変えたわけではないのですが、シンプルに体の使い方にこだわるようになりました。今までは重りを持って行うウエイトが中心だったんですが、アニマルフロー(動物の動きを取り入れたトレーニング法)だったり、軽い重りを使うことで細かい動きを覚えました。このトレーニング法の方が自分には合っていた。おかげでウエイトではつかないバランス感覚が養われたと思います。踏み込む力もだいぶ強くなった。また瞬発系の動き、ハイボールへの反応、一歩の伸びも良くなりました」
トレーニングのやり方を変えたことが、パフォーマンスの向上に結びついているというのです。
根塚選手の進化はパワーアップしたランに限りません。今季はハイボールの再獲得にも貢献しています。先のサンゴリアス戦を含め、味方からのキックパスやハイパントキックでの競り合いで勝つシーンが何度か見受けられました。
根塚選手には、苦い思い出があります。「デビューした年、初めてウイングというポジションをやって、(ワイルドナイツの)野口竜司さんにハイボールでコテンパンにやられたことがありました」。それがいいクスリになったのでしょう。野口さんとは、東海大付属仰星高校(現・東海大付属大阪仰星高校)の3学年上の先輩で、ハイパントキャッチの名手として知られています。
5月3日の第17節、29対29で引き分けたワイルドナイツ戦でも、野口選手とハイパントを競り合った直後に、味方ボールのスクラムになったシーンがありました。
「今日(5月3日)の試合後、竜司さんと喋っていて、『ハイボールも、うまなったな』と言ってもらえた。個人的にもそこは自分でも成長できているかなと。自分は身長が小さいので、“(ハイボールを)取れないのが当たり前”と思われる選手にはなりたくない。(チェスリン・)コルビ選手(サンゴリアス)のように、フィフティ・フィフティの状況でもハイボールを蹴っとけば、間違いなく獲得してくれると思われる存在になりたい」
スピアーズの準決勝の対戦相手は今季リーグ戦で1分け1敗のワイルドナイツです。前回の対戦(5月3日)では、終了間際、ウイング山田響選手の劇的なトライで追いつきました。根塚選手はフル出場し、1トライを記録しています。スピアーズの不利が予想される中、さらにパワーアップした根塚選手のプレーに注目です。
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