
日本代表は8月23日から9月20日にかけて環太平洋諸国6カ国で行われる国際大会「パシフィックネーションズカップ」(PNC)に向け、15日から宮崎合宿を張っています。エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の掲げるテーマは「空中戦強化」です。
14日に合宿メンバーを発表したエディーHCは、同日に行われたオンライン会見でこう語りました。
「ラグビーは常に発展していて、先日のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ対オーストラリア戦は、クオリティーが高かった。空中のコンテストは30回以上。それ以外にもブレイクダウン、スクラム、ラインアウトでのコンテストがあるが、空中戦が重要視されている。そこで勝つか、負けるかで試合の勝敗が決まってくるので、強化しなければならない。リーグワンでは、(空中戦が)それほど重要視されていないため、選手たちを教育し、競り勝てるようにする必要がある」
エディーHCの言う「空中戦」とは、インプレー中のキックによるハイボールの競り合いを指します。指揮官は7月の対ウェールズ代表2連戦を例に引き、こう続けました。
「2戦目は空中戦に勝てなかったので負け、初戦は空中戦に勝てたので勝利できた。ここ(空中戦)をしっかり強化していかなければいけない」
善は急げです。宮崎合宿で選手たちは早速、「空中戦強化」に取り組んでいます。日本ラグビー協会HPの合宿レポートには、選手たちがハイボール処理をしている写真が複数掲載されています。
「目的を持ったキックが必要」
そう語るのはスクラムハーフの福田健太選手です。
「去年は“超速ラグビー”でアタックを仕掛けていた。今年はそれだけでは厳しいということでキックをどんどん使っていこう、と。ただ闇雲に蹴るのではなく、目的を持ったキックが必要です。単にボールを手放すのではなく、再獲得するキック。そのためには全員でセイムページ(同じ絵)を見ないといけません」
問題は、空中戦を有利に戦うためのキック戦術を、エディージャパンが掲げる“超速ラグビー”の中にどう落とし込むかです。
それについてエディーHCは「バランスを取った攻撃をする」と語り、続けました。
「日本代表のアイディンティティであるランを仕掛けながらも、予測不可能なキックを駆使していく」
しかし「言うは易し、行うは難し」です。それについては、福田選手も「キックばかりでは、相手もディフェンスがしやすくなる」と認めています。個々の判断に加え、「全員で見るセイムページ」の解像度を上げていくことが求められます。
さて指揮官は空中戦で期待する選手として、ウイング石田吉平選手の名前をあげました。石田選手は身長167センチと小柄ですが、ウェールズ戦では高さで劣る相手に競り勝つシーンが目立ちました。
エディーHCは「身長は低いがものすごく跳べる。空中戦に関してはずば抜けたスキルを持っている。(南アフリカ代表の)カート=リー・アレンゼやチェスリン・コルビに似た選手」と高く評価しています。
エディージャパンは8月30日、宮城・ユアテックスタジアム仙台でカナダ代表戦と戦います。宮崎合宿での「空中戦強化」の成果物に期待しましょう。
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