
日本代表は、環太平洋諸国6カ国で行われている国際大会「パシフィックネーションズカップ」(PNC)の1次リーグで2連勝、B組1位通過を決めました。プレーとともに、リーダーシップが光っているのが今大会、共同キャプテンを任されているロックのワーナー・ディアンズ選手です。
世界ランキング13位の日本のPNC初戦は、8月30日に宮城県仙台市で行われ、同24位のカナダ代表を57対15で下しました。アメリカに乗り込んでの第2戦は6日(現地時間)にカリフォルニア州サクラメントで行われ、同18位のアメリカ代表を47対21で破りました。いずれも共同キャプテンのHO原田衛選手が欠場したため、ディアンズ選手がゲームキャプテンを務めました。
ディアンズ選手はキャプテン就任発表直後の記者会見で「自分のキャリアにとって大きなステップ、チャレンジになるからうれしかった」と語り、こう意気込みを述べました。
「僕はどちらかというとオンフィールドで、自分のプレーで引っ張っていこうと思います。(オフフィールドで)あまり多くのことをやろうとするよりも、自分のパフォーマンス、プレーで引っ張っていくことを意識しています」
その言葉通りの活躍と言っていいでしょう。
初戦のカナダ戦は10対10の同点で迎えた前半38分、リードを奪うトライをあげました。それも日本が1人少ない中での価値あるもの。後半14分にはチョークタックルでボールを奪取しました。17分には2メートル超の長身を生かし、キックオフレシーブから約30メートルのボールキャリー。攻守にわたる活躍で勝利に貢献しました。
この活躍に気をよくしたのか、1週間後のアメリカ戦では2トライをあげました。前半26分、敵陣でのラインアウトでナンバーエイトのファカタヴァ・アマト選手からパスを受けると、インゴール目がけて猛突進。行く手を阻む者を引きずりながらトライエリア(インゴール)左中間に飛び込みました。
後半22分には、スーッとスクラムハーフ藤原忍選手の後方に忍び寄り、パスを引き出します。敵陣右サイドでパスをもらうと快足を飛ばし、そのままトライエリア右隅にグラウンディングしました。
エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は大会前、「次世代のリーダーを育成しなければならない」と日本代表の課題を口にしていました。今大会は、ここ3大会のW杯でキャプテンを経験したリーチマイケル選手(15年イングランド&19年日本大会)と姫野和樹選手(23年フランス大会)が帯同していません。次代を担うリーダーとして23歳のディアンズ選手と26歳の原田選手を指名したのです。
この2人を指揮官に推薦したのは、リーグワン東芝ブレイブルーパス東京でチームメイトだったリーチ選手でした。
ブレイブルーパス、日本代表でリーチ選手の背中を見てきたディアンズ選手は、言動でもチームを引っ張りました。
キャプテン初陣となった30日のカナダ戦の前半は、チームがオフサイドを連発する苦しい展開でした。2025年8月31日付けのスポーツニッポン紙によると、ハーフタイムにディアンズ選手が<「1人1人でプレーしようとし過ぎている。ワンチームで、全員が全員のためにプレーしないと」と言葉を掛けた>そうです。
23歳のキャプテンの冷静な判断により、チームは規律面を改善。前半はイエローカード1枚を含む8個もあった反則は、後半は4個と半減しました。
エディーHCは試合後の記者会見で、ディアンズ選手のキャプテンシーをこう称えました。
<手本となる選手で、素晴らしい働きだった。リーチ以上になれる素質がある>(「日刊スポーツ」2025年8月31日付け)
勢いに乗る日本代表は、14日(現地時間)にアメリカ・コロラド州コマースシティで行われるPNC準決勝で世界ランキング16位のトンガ代表戦と対戦します。6年ぶりのPNC制覇へ、視界は良好です。
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