
「勝たなきゃいけない試合だった」。エディー・ジョーンズ(HC)の試合後のコメントがすべてでしょう。11月15日(現地時間)、世界ランキング13位の日本代表は、同12位のウェールズ代表と敵地カーディフで対戦し、23対24で惜敗。ラストワンプレーでのPGによる“逆転サヨナラ負け”でした。
今年3度目となるウェールズ戦。試合前までの対戦成績は日本が2勝14敗と大きく負け越していますが、過去5試合に限れば2勝3敗です。そのうちの2敗は接戦(18対22、30対33)でした。
舞台はカーディフのプリンシバティースタジアム。日本は前半6分に先制を許したものの、15分にウイング石田吉平選手のトライとスタンドオフ李承信選手のコンバージョンキックで7対7の同点に追いつきました。
ところが25分にロックのエピネリ・ウルイヴァイティ選手、30分にはナンバーエイトのマキシファウルア選手がイエローカードを受け、5分間を13人で戦わなければなりませんでした。ここはなんとか耐えしのぎ、同点のままハーフタイムを迎えました。
後半は点を取り合いました。8分に李選手のPGで3点を勝ち越しましたが、11分にウイングのルイス・リースザミット選手にトライを奪われ、逆転を許しました。26分には李選手のPGで23対21と勝ち越しました。
一進一退のシーソーゲーム。後半40分が過ぎた時点では日本がリードしていましたが、試合終了間際に日本のロック、ハリー・ホッキングス選手がハイタックルでイエローカードを受け、数的不利のピンチを招きました。最後は自陣のラインアウトからモールで押し込まれ、痛恨の反則。このPGをスタンドオフ、ジャロッド・エバンズ選手に決められ、ノーサイド。23対24と、わずか1点差でゲームを落としました。
試合後、キャプテンのロック、ワーナー・ディアンズ選手は肩を落として語りました。
「今日はペナルティーが多過ぎで、ミスも多かった。ウェールズにチャンスを与えてしまった。イエローカードによって1人いなくなり、2人いなくなって前半は厳しく、彼らがいたらまた違った状況になったかもしれません」
エディーHCは「故意なファウルではなかったのに。(判定の)一貫性のなさがラグビーを台無しにしている」(スポーツニッポン2025年11月17日付け)とレフリー批判を口にしました。だがプロップの為房慶次朗選手は「リーグワンより強いプレッシャーを受け、少し焦ってしまい、オフサイドやハイタックルなどが増えているのだと思います」と冷静に受け止めていました。
この秋、日本は10月25日のオーストラリア戦を皮切りに、南アフリカ、アイルランド、ウェールズと対戦しましたが、カードの多発が目につきます。イエローカード2枚、2枚、1枚、3枚。1試合平均で2度も一時退場者を出しているのですから格上相手に勝機を見出すのは難しいでしょう。
次戦が年内最終戦。日本は22日に敵地トビリシで世界ランキング11位のジョージアと戦います。昨年7月に仙台で対戦した際には23対25で敗れていますが、この時もレッドカード1枚、イエローカード1枚をもらっています。
カードの多さについて、スクラムハーフの齋藤直人選手は「ここ数試合、自分たちの規律の乱れからピンチを招いている。1つのペナルティー、1つのミスで大きく流れを持っていかれ、勝敗に関わるという経験をした。どれだけ危機感を持ち、練習からディシプリンのところに取り組めるかが大切」と課題を口にしました。
日本には「終わりよければ全てよし」ということわざがあります。白星で年内最後の試合を締めくくり、来年は課題を収穫に変え、“超速ラグビー”の解像度を高めてもらいたいものです。
データが取得できませんでした


以下よりダウンロードください。
ご視聴いただくには、「J:COMパーソナルID」または「J:COM ID」にてJ:COMオンデマンドアプリにログインしていただく必要がございます。
※よりかんたんに登録・ご利用いただける「J:COMパーソナルID」でのログインをおすすめしております。