
ラグビー以外の海外クラブとのパートナーシップは、リーグワンでは初の取り組みになります。先月、リコーブラックラムズ東京がサッカーのラ・リーガ(スペイン1部)のビジャレアルCFと、教育・育成を通じたサステナビリティ推進に関するパートナーシップを締結しました。
1923年創設のビジャレアルは、スペイン東部のバレンシア州カステリョン県ビリャ=レアルに本拠地を置くクラブです。かつてはアルゼンチン元代表のファン・ロマン・リケルメさん、ウルグアイ元代表のディエゴ・フォルランさんらもプレーしていました。日本人では日本代表の久保建英選手が20-21シーズンに半年間だけ所属していました。
ビリャ=レアルは人口約5万人の小さなまちです。同じラ・リーガのレアル・マドリード、バルセロナFCのようなビッグクラブではありませんが、育成力の高さに定評があり、UEFAチャンピオンズリーグで2度(05-06、21-22)ベスト4入りし、20-21シーズンにはUEFAヨーロッパリーグ制覇を果たしました。今季はラ・リーガ(11月12日時点)で、レアル、バルセロナに次ぐ3位に付けています。
そのビジャレアルとパートナーシップを結んだ理由を、ブラックラムズのクラブ・ビジョナリー・オフィサー(CVO)を務める白﨑雄吾さんは、こう語りました。
「ブラックラムズは試合の勝ち負けだけにとどまらず、スポーツのチカラを社会にどう還元できるかを考え、取り組んでいる。ビジャレアルには育成というイメージがある。もちろん我々も育成を大事にしていますが、それを超えたサステナビリティという広い傘の中で協働できればと思い、パートナーシップ締結に至りました」
西辻勤ゼネラルマネジャー(GM)は、10月にビジャレアルを訪問しました。
「私がGMを任された時、“このクラブを人が集い、育つクラブにしたい。そしてまちのインフラにしたい”と語りました。それが結果的に選手の成長につながり、活力と感動を人々に与えられると考えたからです。それ以来、“人の成長”と“まちづくり”という2つのキーワードを追求してきました。この2つについて世界的な評価を受けているのがビジャレアル。いろいろなリレーションができることをうれしく思っています」
一方のビジャレアル側のメリットは何でしょう。11月11日に行なわれた記者会見に、スペインからオンラインで出席したフットボールマネジメント部・佐伯夕利子さんによれば、ビジャレアルにとっても他競技のスポーツクラブとのパートナーシップは初めてのことだそうです。
「私たちはフットボール強化と同時に、ソーシャルマネジメントにリソースと時間と思いをかけているクラブです。スポーツクラブはまちづくり、地方創生に大きな効果がある。ビジャレアルというクラブは、これからもまちにあり続けることを追求している。ブラックラムズとは、競技の垣根を超え、人や社会を大切にする思いが根底にあるという共通項を持っています」
では具体的な活動は? 白﨑CVOは「今季のオフ期間に練習拠点の世田谷区砧のグラウンドで、子どもに対する教育をテーマにしたワークショップを実施する」と語っていました。
両クラブのスタッフは、オンラインでの交流も積極的に図っていく予定です。
「ヨーロッパではモビリティという言葉を大切にしています。モビリティとは人の流動、お金の流動、雇用の流動、知財の流動。それを経て、新たな知見や、発展、成長、進化が生まれると考えています。多領域でのモビリティを推進し、互いの世界観、組織文化、育成の考えが行き来されていく。今回のパートナーシップにより、今まで私たちが発想しなかったアイディアが生まれることに期待しています」(佐伯さん)
海を越えてのパートナーシップがもたらす新しい“化学変化”に期待しましょう。
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