
リーグワン・ディビジョン1で唯一、開幕から負けなしのチームが、昨季4位の埼玉パナソニックワイルドナイツです。目下、7連勝中で単独首位。今季は伝統の堅守に磨きがかかり、リーグ最少失点(101)を誇っています。
開幕戦で2連覇中の東芝ブレイブルーパス東京に完封勝ちしたワイルドナイツは、第3節の三菱重工相模原ダイナボアーズに続き、第7節のリコーブラックラムズ東京もノートライに抑えました。これで早くもノートライ試合は3つ目。リーグワン5シーズン目にして、1シーズンにおけるノートライゲームが、第7節終了時点でチーム過去最多(22-23シーズン)に並びました。
この要因について、金澤篤ヘッドコーチ(HC)は、コーチ兼任3季目となるフランカー/フッカー布巻峻介選手の存在を挙げます。
「ディフェンスのところは、布巻が担当しているのですが、彼がポジティブにアグレッシブなディフェンス、攻撃的なディフェンスを、メンタル的なところも含め、選手に植え付けてくれている」
フッカー坂手淳史主将も「布巻さんの功績が大きい」と符丁を合わせます。
「週によって相手がどういうアタックをしてくるかを分析しますが、コネクションの部分を大事にするのは、どの相手でも変わりません。今季はメンバー一人ひとりがそこをより理解し、崩れないディフェンスになっている。布巻さんは選手兼コーチと忙しい中、たくさん時間を使い、僕らに相手の対策を落とし込んでくれている。いいコーチであり、いい選手です」
布巻選手兼コーチの2学年上、プロップ稲垣啓太選手にも話を聞きました。
「彼はすごく難しい立ち位置だと思う。選手でありながらディフェンスコーチとして結果を出さないといけない。選手だから感覚的な部分で伝えられるところが大きい。だからといって感覚的な部分に偏り過ぎず、コーチとしては理論で説き伏せないといけない場面もある。彼はその両方をバランスよく使っている。またいろいろな選手に対し、あけすけに接することができるのが強み。僕に対し、あけすけに接してくるのは彼くらい。素晴らしいコーチだと思います」
開幕戦でブレイブルーパスを完封した後の記者会見で、坂手主将は「今季に関して言えば、“怖さ”を入れていきたい。相手にとって、怖い、ボールを奪いにいくディフェンスを目指しています」と話していました。
この“怖さ”について、稲垣選手に問うと、「威力ですね」と返ってきました。
「タックル成功率を上げるだけなら簡単なんです。掴んで倒せば、成功率は上がりますから。しかし、そういうタックルをワイルドナイツでは求められていない。どんなディフェンスが一番怖いかというと、アタックをしているのに押し返されること。そうするとアタックが手詰まりとなり、蹴るか個人技に走るしか選択肢がなくなります」
第7節でワイルドナイツと対戦したブラックラムズのスクラムハーフ、TJ・ペレナラ選手も、敵ながら稲垣選手と同様のことを口にしていました。試合後の会見で、ワイルドナイツのディフェンスについて問われた時のことです。
「彼らは同じように何度も繰り返すことを厭わない。システムを守るというディシプリン。ディフェンスがいいことはわかっていたし、そういうチームを倒したいんだったら、自分たちのアタックを長くやり続けないといけなかった。だがボールを持っている時に全然前に進んでいないと、ディフェンスに苦しめられていると感じることがある。そうすると無理矢理にでも、(突破口を)つくり出してやろうと思ってしまうと失敗する」
その「無理矢理」を象徴するシーンが第7節の序盤にありました。キックオフ直後のワイルドナイツは劣勢でした。自陣22メートライン内に入られても、ディフェンスラインが乱れません。ボールホルダーにタックルを仕掛けた後、すぐに2人目がプレッシャーをかけます。これを繰り返しました。
対するブラックラムズは10フェーズ以上を重ねましたが、最後はセンター池田悠希選手が痛恨のノックフォワード(ノックオン)。得点のチャンスを逸しました。
その後、ワイルドナイツは自陣に攻め込まれても、プレッシャーを掛け続け、相手のパスミスを誘いました。スクラムハーフ萩原周選手が蹴り返し、一気に陣地を挽回。敵陣に入って、反則を誘うと、6分にラインアウトモールから先制点を奪いました。
対戦相手からすれば、攻めていたはずなのに、いつの間にか攻められている。そんな気持ちにさせられるのではないでしょうか。相手の焦りを生み、ミスを誘う愚直なディフェンス。ワイルドナイツの“青い壁”を崩すのは、至難の業と言えそうです。
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