
11日に4万3489人の大観衆を集めて東京・MUFGスタジアム(国立競技場)で行なわれた全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝は、明治大学が早稲田大学を22対10で破り、7年ぶり14度目の優勝を果たしました。
大学日本一になった明大は、昨年12月7日に行なわれた関東大学対抗戦Aグループでの試合も、25対19で早大に勝っていました。
逆に言えば、リベンジを誓う早大のモチベーションは高かったはずです。両校の対戦では対抗戦に勝利したチームが、過去4大会連続(2010、18、19、22年度)で大学選手権で敗れていました。
対抗戦で敗れた側は、敗因を徹底して分析し、有効な対策を練ってきます。ライバル校ゆえ、2度も負けられない、という強い意志も、リベンジへのエネルギーとなるはずです。
しかし、大学選手権決勝を見る限り、明大がプレッシャーを受けているようには感じられませんでした。試合後の会見で神鳥裕之監督は「(試合は)練習通りにやってほしい」という指示を、練習の時から出していたことを明らかにしました。
この試合で、特に目立ったのは明大の組織だった守備でした。早大には日本代表9キャップのフルバック矢崎由高選手をはじめ、センター野中健吾主将、ウイング田中健想選手、スタンドオフ服部亮太選手ら攻撃陣にタレントが揃っていますが、明大は後半32分のスクラムハーフ渡邊晃樹選手による1トライに封じました。
印象的なシーンは22対3とリードした後半23分です。明大のフッカー西野帆平選手が中央突破を図る矢崎選手にタックルし、かわされますが、すぐさまロック菊池優希選手がしがみつきます。そこにプロップ田代大介選手が後方からプレッシャーをかけ、ノックフォワード(ノックオン)を誘発。その2分後には服部選手に突破を許しましたが、ウイング白井瑛人選手の寄せの速さで、ノット・リリース・ザ・ボールを誘いました。
試合後、明大の平翔太主将はこう語りました。
「この1週間、スキのないチームを作るためにディフェンスを強化してきました。点差が開いた状態でも、一人ひとりのタックル精度やコネクションを切らさないことを意識していました。終盤、服部選手にゲインされた後でも、全員が戻ってディフェンスラインを上げ直すことができました。ゲインされた後でもコネクションを切らさず守れたことは、1年を通して見ても大きな成長だったと思います」
試合を通じてリズムをつくったのは明大スタンドオフの伊藤龍之介選手でした。前半33分に相手のギャップを突くランでトライをあげ、後半8分には飛ばしパスでフランカー大川虎拓郎選手のトライを演出しました。また20分の平主将のPGは、伊藤選手の突破をきっかけに得たものです。司令塔を担った3年生の活躍に神鳥監督も「彼は本当に替えのきかない選手。チームリーダーが平翔太だとするなら、ゲームリーダーは伊藤龍之介だと言えるぐらいの存在でした」と絶賛していました。
本来、早大がやりたかった攻撃を明大が展開しました。早大OBの今泉清さんの分析が参考になりました。
<早稲田を向こうに回した場合、2年生SO服部を起点に、日本代表FB矢崎、WTB田中健らに走られる方が嫌だったはずだ。走らせながら穴を見つけ、打開する形が早稲田の土俵。劣勢の後半にも、矢崎がハイパントを蹴ってしまう。全国大学選手権決勝のプレッシャーからか、冷静に判断ができていなかった>(「日刊スポーツ」2026年1月12日付け)
今年度、明大に2度も煮え湯を飲まされた早大ですが、スコッドの中には3年生以下の選手が15人もいました。今年4月には全国高校ラグビー大会3連覇に貢献した桐蔭学園のスタンドオフ竹山史人選手のほか、東海大相模のロック笹部隆毅選手、東海大付属大阪仰星のセンター東佑太選手ら高校日本代表候補も入学してきます。来年こそは国立競技場に“荒ぶる”を響かせくれるのでしょうか。
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