
日本代表は宮崎合宿を6月13日からスタートしました。6月10日に発表されたメンバー35人のうち、代表キャップ0の選手が10人というフレッシュな陣容です。注目は19日から合流したリーグワンの新人王・上ノ坊駿介選手(コベルコ神戸スティーラーズ)です。
上ノ坊選手について、日本代表エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は「ハイボールに対し、果敢にチャレンジする。アタックも積極的に、即興で動ける。そしてディフェンスでも体を張れる。非常に質の高い選手」と高く評価しています。
兵庫県出身の22歳。身長183センチでラン、パス、キックのスキルが高い、ユーティリティープレーヤーです。天理大時代は主にスタンドオフを任されていましたが、スティーラーズではフルバックで起用されました。
彼にはボールを持つと、何をしてくるのか、というドキドキ感、ワクワク感があります。これについて本人はこう語っていました。
「一つひとつのプレーに対し、精度高くいこうと思っていました。シンプルなプレーを心掛けていたので、“トリッキーなプレーをしたろう”とかはあまり考えていません」
4カ月前までは大学生でした。卒業前の大学生がリーグワンに出場できるアーリーエントリー制度を利用し、2月7日の第7節・静岡ブルーレヴズ戦でリーグワンデビューを果たしました。フルバックとして先発出場するや否や、いきなりハットトリックを達成しました。
トライシーンを振り返りましょう。最初のトライは7分、センターのアントン・レイナートブラウン選手のお膳立てで、トライエリア左にフィニッシュ。2つ目は23分、センターのタリ・イオアサ選手のオフロードパスを受け取り、そのままフリーで抜け出しました。3つ目は30分。左サイドでボールをもらうと、ディフェンスの間をすり抜け、トライエリア左中間に飛び込みました。
試合後の会見でデイブ・レニーHCは<本当に素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた>(リーグワンHP2026年2月8日配信)と語り、こう絶賛しました。
<今日、彼が良かったのは3トライだけではありません。ボールを持っているときのアタックの内容に関しても、ほかの選手のスペースを彼がうまく作り出していたと思います。ハイボールのコンテストでも強みを見せてくれましたし、タッチラインの外からしっかりジャンプしてボールをキャッチし、自分たちのボールにするなど、ゲーム理解度も彼は非常に高いものを持っています>
鮮烈デビューを果たした上ノ坊選手は今季、レギュラーシーズン12試合に加え、プレーオフ2試合の計14試合に出場し、11トライを記録。プレーオフ準決勝、決勝では相手の裏を突くキックでトライを演出し、スティーラーズのリーグワン初優勝に貢献しました。
途中加入の実質“0シーズン目”ながら、1季目の先輩たちを差し置いての新人賞受賞です。投票で「監督・HC」「キャプテン」「表彰選考委員会」「メディア」「ファン」の全5項目で1位票(3ポイント)を獲得しました。
チームメイトで、ニュージランド代表88キャップのレイナートブラウン選手の上ノ坊評を紹介しましょう。
「上ノ坊に関してはよく“10人に1人の逸材”と言われていますが、本当にその通りのタレントだと思う。彼のパフォーマンスを発揮できる能力というのは特別なもの。これからの将来、どれだけ成長できるのか非常に楽しみです」
またレイナートブラウン選手は、鮮烈なデビュー戦の“裏話”を披露しました。
「試合前、彼と風呂に一緒に入った時、『デビューする上で、自分に何かアドバイスありますか』というようなことを聞いてきたので、『お前は必要な才能を十分持っているんだから、自分のこと信じろ』と伝えました。そして実際にその力を示してくれた」
過日、スティーラーズOBで、元日本代表のレジェンド大畑大介さんと話す機会がありました。上ノ坊選手について聞くと、即座にこう答えました。
「近年稀にみる才能を持った選手。10番でも見てみたいです」
値上がり必至の有望株です。
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