
リーグワンを6位で終え、3連覇を逃した東芝ブレイブルーパス東京が7月23日、7季チームを率いたトッド・ブラックアダーヘッドコーチ(HC)の退任を発表しました。後任はフォワードコーチを2季務めたジョシュア・シムズさんです。
7月23日に行なわれた定例記者会見で、薫田真広社長兼ゼネラルマネジャー(GM)はブラックアダーHCから「組織が持続可能に、より発展していくためには自分が代わることがベスト」と辞任の申し出があったことを明かしました。
「トッドは我々が低迷していた時期に、チームをしっかりベースアップし、リーグワン初優勝、そして連覇に導いてくれた。そのHCとしての手腕、また人柄を高く評価しています。今後は、我々が発展し続けるために力を貸してほしいということで、アドバイザー兼ハイパフォーマンスディレクターに就任します。これは強化面だけでなく、経営面に対してもアドバイスをしてほしいと考えています」
ブラックアダー前HCは、今後は母国ニュージーランドを拠点としながらも、大所高所からチームにアドバイスを送るようです。
後任に選ばれたシムズ新HCは、フォワードコーチとしてブラックアダー体制を2シーズン支えました。昇格の理由について、薫田社長兼GMはこう語りました。
「彼はもともと教員で、ニュージーランドトップの高校でコーチをしていた。オールブラックスの選手たちのキャリアアップにも貢献してきた人物で、引退前の選手にも向き合ってきた。この2年間、フォワードコーチとして選手たちと正面から向き合ってくれたことが、今回ジョシュアを選んだ一番の要因です」
薫田社長兼GMが語るように、シムズ新HCは、高校で地理を教えていました。その後、ニュージーランドのNPC(ニュージーランド州代表選手権)チーム、ベイ・オブ・プレンティ、ホークス・ベイのほかアメリカのオールドグローリーDC、イタリアのゼブレなどでコーチとしてキャリアを積みました。
そう言えば、日本代表HCのエディー・ジョーンズさんも元教員(高校・保健体育)です。他にもコベルコ神戸スティーラーズを25-26シーズン優勝に導いた現ニュージーランド代表HCのデイブ・レニーさん(中学)、かつてアイルランド代表を世界ランキング1位に押し上げた現オーストラリア代表HCのジョー・シュミットさん(高校・英語)らの名前が浮かびます。
教員出身のマネジメント能力について、自身も元教員であるブレイブルーパスの星野明宏副社長は「どちらも人のマネジメント、人に対してフォーカスを当てる職業なので、親和性はすごくあると思います」と語っていました。
では選手の新HCに対する評価はどうでしょう。
「ジョシュとは一緒にやって3年目です。彼はラグビーだけじゃなく、いろんなことを話す人です。細かく指示をするし、コミュニケーション能力がすごく高い。いろいろな選手、スタッフとも、1日1回は必ず会話しているぐらい。彼が東芝に新しい風になって、いい方向に導いてくれる」(リーチマイケル選手)
「ディテールにこだわる人。すごく細かくて、ラインアウトやスクラムを2年前のシーズン(24-25)、一緒にやりました。他のコーチが気にしないことにも目を向け、そこから選手とのコミュニケーションをすごく頑張っている。選手としてはすごく楽に話せて、自分の意見も言いやすい」(ワーナー・ディアンズ選手)
指揮を執るにあたり、シムズ新HCは「チームのための献身を怠らずに、クラブを代表して素晴らしいパフォーマンスを発揮できる組織をつくっていきたい」と抱負を述べました。その一方で「2連覇を成し遂げた成功体験ゆえに、その場で直すべき細かいところを見落としていた側面もあった」と反省を口にしました。
まずは選手との対話から。コーチとしてチームと2シーズン過ごしたことで、選手たちの長所も短所もわかっているはずです。2シーズンぶりのV奪還を目指すブレイブルーパスにとっては、手堅いながらも適切な人事だったように思えます。
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