
2季ぶりの王座奪還を目指す東芝ブレイブルーパス東京が9月28日、都内で記者会見を行ない、10月1日付けで、チーム名を「東芝ブレイブルーパス武蔵」に変更すると発表しました。ホストエリアはこれまでの東京都府中市・調布市・三鷹市に、神奈川県川崎市が新たに加わりました。
ブレイブルーパスは、この8月、川崎市を含む神奈川県ラグビーフットボール協会、川崎市ラグビーフットボール協会との4者間で連携協定を結びました。昨年8月にオーナー企業である東芝の本社機能が川崎市に移ったこともチーム名変更の契機となりました。
薫田真広社長兼ゼネラルマネジャー(GM)は28日の会見で、名称変更の理由をこう述べました。
「リーグワンがフェーズ2に入っているということで、我々も新たなフェーズを見据え、ブレイブルーパス武蔵として、クラブを発展させていきたい。(チーム名の由来である)武蔵国の国府は府中にありました。市内の大國魂神社には、武蔵国の守り神が祀られているという背景を含め、このチーム名になりました。府中市の歴史、我々の東芝府中の歴史を受け継ぎながら、次のフェーズに入るということです」
チームOBでもある薫田社長兼GMは「武蔵」という新名称について、「東芝らしい無骨さが出せるかな、と。そういう我々のDNAと一緒に発信していきたい」と説明しました。
東京から武蔵へ――。「川崎市には約156万人の人口がいますので、パイは広がります。加えて、東芝本社の社員に一層の応援をしていただくためにも、川崎市と連携する意義は大きいと思います」とは星野明宏副社長。
その一方で「東京」という名称が消えるデメリットも少なくありません。
再び薫田社長兼GM。
「東京という世界的な認知度のある名前をなくすという意味では、検討の余地がありました。しかし、他にも東京が付くチームがあり、BLかBRかという略称の問題もありました。わかりやすいチーム名にするために、あえて東京を外したという感じです」
星野副社長からは、次のような指摘も。
「例えばバスケットボールのBリーグは、チーム名に旧国名を使うなど、バラエティに富んでいます。三遠ネオフェニックスの“三遠”は造語(三河国+遠江国)ですからね」
私見を述べれば、名称変更はむしろ遅過ぎたくらいです。リーグワン開幕直後、スポーツニッポン紙の連載コラムでこう書きました。
<活字メディアは字数の都合上、略称を用いることが多い。残念ながらコロナの影響で流れてしまったが、1月22日には味の素スタジアムで「BL東京」対「BR東京」の試合が組まれていた。前者は旧東芝、後者は旧リコーだが、コアなラグビーファンはともかく、BLやBRといった表記は新参のファンには、ハードルが高い。いや、私が知るラグビー関係者にも「BLってどこ? ああ東芝なんだ」と言って照れ笑いを浮かべた者がいた。中には未だに企業名を口にしている者もいる。何のための新リーグ、何のための新名称なのか>(2022年2月2日付)
周知のように、リーグ発足時は5チームが「東京」の名を冠していました。22年7月にNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安が浦安D-Rocksとなり、今回ブレイブルーパスが「武蔵」に名称を変更したことで、「東京」を名称に戴くチームは東京サントリーサンゴリアス、リコーブラックラムズ東京、クボタスピアーズ船橋・東京ベイの3チームになりました。
ホストスタジアム確保など、課題は山積していますが、今回のブレイブルーパスの名称変更、東京一極集中からの脱却という意味では、ポジティブな一歩ととらえていいでしょう。
(取材/杉浦泰介、構成/二宮清純)
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