
リーグワン・ディビジョン1(D1)のリコーブラックラムズ東京は、昨季(2025-26シーズン)、レギュラーシーズンで5位に入り、リーグワン創設後初のプレーオフ進出を果たしました。その立役者は、24-25シーズンより指揮を執るタンバイ・マットソンヘッドコーチ(HC)です。指揮官の発案により、チーム内に5つのグループを立ち上げました。今回はそのうちのひとつ、地域密着やPRなどのビジネスチームと連携するグループを紹介しましょう。
同グループは、チームの事業部と連携し、地域密着への取り組みやチームのPR活動などをリードします。
西辻勤ゼネラルマネジャー(GM)は、その効能について、こう語っています。
「タンバイともよく話すのですが、結果を出すためにはフィールドの中でも外でも選手たちが考え、行動する主体性が大事だということ。それを育てていくための取り組みのひとつが、このグループです。どうやったらファンが増えるのかを選手たちが考え、慣れないことにもチャレンジし、解決していく。それはフィールド上でも現れるのだと思います」
言うまでもなく主体性、リーダーシップは、ラガーマンに必要なスキルです。
選手の声を聞いてみましょう。まずは昨季、クラブ100キャップを記録したベテランの松橋周平選手。
「リーダーにはグループを引っ張り、ミーティング等で代表して話す機会を設けています。それが、チーム内で何でも言い合える関係を築くことにつながっている」
昨季、このグループのリーダーを務めたのは、2年目の稲葉聖馬選手でした。こう振り返ります。
「僕は人前に出て話すのは、苦手なほうでした。ミーティングなどで、話す機会がすごく増えたので、(リーダーを務めたことで)人に伝える能力だったり、話し方だったり、表現の仕方だったりを勉強できました。HCのタンバイからは“もっとこうしたほうがいいよ”とアドバイスをもらい、どう伝えればいいかを、教えてもらった1年でした」
さらに、続けます。
「実際に自分たちはファンの人と接する機会が多いので、直にファンの声援を感じられます。ブラックラムズをどう思っているのか。いいところもあれば、こうしてほしいという課題に気付くことがある。ファン、地域の皆さん、選手、事業部でいい関わり合いができていると感じています」
主な活動としては駅前でのチラシ配りや学校訪問、フリーマーケットなどがあげられます。こうした地道な活動が実り、昨季ホストゲームの観客数は、1試合平均で前シーズンから1451人増の7807人となりました。
チーム独自の調査によると、ホストエリア東京都世田谷区で19.5%だったチームの認知度は、22.5%に上昇しました。世田谷区の4人に1人が知っている計算になります。
それを受け、今季から同グループの一員となった2年目の久木野太一選手は、こう抱負を述べました。
「ブラックラムズは、チームの人たちだけで成り立っているものじゃない。地域の方、支えてくれる方、応援してくれている方がいるからこそ、頑張れるんです。そうしたつながりを強化し、チームの認知度をもっと上げていきたい。例えば1つの試合、1回のイベントだけじゃなく、リピートして応援したいと思ってもらえるようなチームをつくっていきたい。そのためのイベントやボランティア活動なども考えていきたいと思っています」
ブラックラムズの躍進の理由に、接戦での勝率があげられます。24-25シーズンはレギュラーシーズンで10点差以内の接戦が9試合あり、2勝7敗と大きく負け越しました。だが、25-26シーズンは10点差以内のゲームを4勝1敗。「地域の応援があるからこそ頑張れる」という久木野選手の言葉を裏付けています。
(取材/杉浦泰介、構成/二宮清純)
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