
昨季リーグワン4位の東京サントリーサンゴアスは、チームOBで2016-17シーズンから3シーズン指揮を執り、チームをトップリーグ&日本選手権2連覇に導いた沢木敬介監督の7季ぶりの復帰を発表しました。
「(選手、コーチ含め)20年サントリーにいたので、サントリーが勝てないのは何かモヤモヤする。サントリーらしいラグビーをやってもらいたい気持ちはあったし、才能ある選手は多いと思うので、そういう選手たちのポテンシャルをしっかり引き上げないといけない」
9月29日、東京都府中市のクラブハウスでの記者会見で沢木監督は、そう切り出しました。
サンゴリアスは沢木監督が17-18シーズンに優勝して以来、タイトルから遠ざかっています。リーグワンがスタートして以降の順位は準優勝、4位、3位、6位、4位。プレーオフには毎回出場しているものの、タイトルには手が届きません。
一方、沢木監督はサンゴリアス退団後、2020年に横浜キヤノンイーグルスの監督に就任しました。在任5シーズンで、22-23シーズンにはチームを初の3位に導くなど、2度プレーオフ進出を果たしています。
「監督が変わって、すぐ勝てるかどうかは別の話。ただサンゴリアスは他のチームとプレッシャーが違うと思っている。もちろん結果が出ない時の責任は(私が)負います。その覚悟を決め、この仕事を引き受けました」
言うまでもなくサンゴリアスの代名詞と言えば、「アグレッシブ・アタッキング・ラグビー」です。沢木監督は「それを進化させる」と語気を強めました。
「ルールが変わればラグビーのトレンドも変わる。効果的にテリトリー、セットピース、相手のディフェンスを支配するというのがラグビーで勝つための条件です。だから選手にはこう言っています。アグレッシブ・アタッキング・ラグビーの本質は、ずっとボールを保持することではない。まずゲームをしっかり支配すること。いろいろな局面でドミネートし、先手を打つことだと。これが新しくやらなきゃいけないアグレッシブ・アタッキング・ラグビーだと思っています」
スクラムハーフの齋藤直人主将にも話を聞きました。
「アグレッシブ・アタッキング・ラグビーというワードは変わらないが、中身、実際やるラグビーはどんどん進化していくと思っています。エリアによっては、効率よく前にボールを運ぶ。スマートに判断し、試合を優位に進めていきたい」
フォワード陣はどうでしょう。プロップの竹内柊平選手は「高いレベルでラグビーをやっているのが楽しい」と話し、こう続けました。
「ただひたすら攻撃するのではなく、ディフェンスとか、チェイスやキックもアタックにつながるものだ、と理解しています。ボールキャリーだけがアタックキング・ラグビーじゃない。沢木さんは勝っている時のサンゴリアスのDNAを知っている人なので、そういうところは本当にすごいと感じます」
沢木監督と言えば、厳しい指導で知られます。16-17シーズンにチームが日本選手権を制した直後のインタビューには「明日から練習です」と答えました。こんな沢木節も残っています。<僕は選手に好かれようとは一切思っていませんし、嫌われてもいいから、その選手を「ラグビー選手として伸ばしてやろう」としか思っていません>(「サンゴリアスHP」2015年12月2日配信)
蛇足ですが、選手の自主性に任せる指導者が増える中、選手に妥協を許さない指導で注目を集めているのが、プロ野球の阪神タイガースを球団史上初のセ・リーグ2連覇に導いた藤川球児監督です。
彼の言葉に、こういうものがあります。
<厳しい指導は、その時は好かれないかもしれないけど、いなくなった時に気付く。こういう厳しい世界で生きてきて、優しかった指導者の方は残ってないのね。記憶に>(スポーツニッポン2026年10月4日付け)
沢木監督の言葉に重なります。リーグワン屈指の人気チームであるサンゴリアス。初優勝を今や遅しと待ち望んでいるファンは少なくありません。
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